TOEICスコアは履歴書にどう書くべき？有効期限は？正しい書き方と気を付けるポイント

就活や転職時に自分の英語力をアピールする材料となるTOEICスコア。せっかく頑張って取得したスコアですから、履歴書に書いて書類選考の段階からしっかりと英語力を示したいですよね。

ただ、初めて履歴書にTOEICスコアを書くにあたって

「どうやって書けばいいの？」
「何点から書いた方がいいの？」
「有効期限はあるの？」

という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では私自身がTOEICスコアを履歴書に書いて就活・転職活動をした経験から、TOEICスコアを履歴書に正しく書く方法を解説します。

履歴書に書く上で注意しておきたいポイントや、履歴書に書くべきスコアの点数目安も解説しますので、これから履歴書を書くときの参考にしてみてください。

TOEICテストの種類と正式名称

一口にTOEICといってもいくつか種類があり、違いを理解していなければ正しく履歴書に記載できません。

履歴書にTOEICスコアを正しく書く方法を知る前に、まずはTOEICテストにどんな種類があり、それぞれどんな正式名称なのかを知っておきましょう。

TOEIC L&R

一般的にTOEICというと、TOEIC L&Rを指しています。正式名称はTOEIC Listening & Reading Testで、その名の通り、リスニング力とリーディング力を測るテストです。

マークシート方式でリスニング・リーディングが各100問出題され、それぞれ5〜495点で、トータル10〜990点でスコアが出されます。

TOEIC L&Rでの出題内容は日常会話3割・ビジネス英語7割で、ビジネスシーンを想定した問題が多くなっています。

そのため、就職・転職の際にTOEIC L&Rを英語力の目安としている国内企業は多いです。企業によっては就職・転職時に一定レベル以上のスコアを取得していることを条件にしているケースもあります。

2019年度は国内で900, 684人がTOEIC L＆Rの公開テストを受験しました。

TOEIC S&W

TOEIC S&Wの正式名称はTOEIC Speaking & Writing Testsで、スピーキング力とライティング力を測るテストです。

TOEIC L&Rと同様に、日常生活からビジネスシーンに即した内容の問題が出題されます。TOEIC L&Rほどの知名度はありませんが、2019年度は37,800人が受験しました。

スピーキング11問、ライティング8問のテストで、各200点、合計400点でスコアが算出されます。

TOEIC S&Wのスコアを英語力の指標としている企業はごく少数です。ただ、実際のビジネスではスピーキング力やライティング力も求められるため、TOEIC S&Wを重視する企業も徐々に増えてきています。

TOEIC L&Rスコアと一緒にS&Wのスコアを記載すれば、より高い英語力があるというアピールになるでしょう。

TOEIC Bridge

TOEIC Bridgeは、英語学習初中級者向けのTOEICテストです。

TOEIC Bridgeには下記があります。

TOEIC Bridge Listening & Reading Testsはそれぞれ50問、TOEIC Bridge Speaking & Writing Testsはスピーキングが8問、ライティングが9問と問題数は少なめで、どちらも各セクションの満点が50点で合計が100点になります。

中学レベルの文法や単語で問題が構成されているので、英語学習を始めたばかりの人の実力チェックにおすすめです。

2019年6月からTOEIC Bridge Listening & Reading Testsになっています。また、TOEIC Bridge Speaking & Writing Testsは2019年にスタートした新しいTOEICテストです。

基礎英語力を測るためには最適なテストですが、履歴書に書くには向いていません。

公開テストとIPテストの違い

TOEIC L&R、TOEIC S&W、TOEIC Bridgeには、それぞれ公開テストとIPテストがあります。

公開テストは個人受験で、個人での申し込みが必要です。一方IPテストは団体受験のことで、企業や大学、英語学校などが主催し、主催団体指定の場所で受験します。

IPテストの方がリーズナブルに受験できるのですが、

「Official Score Certificate」という公式認定証が発行されるのは公開テストのみ

です。IPテストの場合はスコアレポートが送付されます。

また、難易度に違いはありませんが、毎回新しい問題が出題される公開テストと異なり、IPテストは過去問題を再利用した問題が出題されます。

国内で正式なTOEICスコアとして求められるのは、公開テストのスコアとされることが多いです。

TOEICスコアの履歴書への正しい書き方と気をつける4つのポイント

ここからはTOEICスコアの履歴書への正しい書き方と、注意しておきたいポイントを4つ紹介します。履歴書への正しい書き方は以下の通りです。

書き方：2022年　5月　TOEIC公開テスト　750点取得

ポイントを紹介していきますので、詳しくみていきましょう。

1.「日付」「テストの正式名称」「点数」の順番で書く

履歴書の「免許・資格・専門教育」の欄に、

で書きましょう。

テストは正式名称で書きますが、一般的にTOEICはL&Rテストを指すので、この場合は「TOEIC公開テスト」とだけ書けばOKです。

S&Wテストのスコアを書く際は「TOEIC S&W公開テスト」と記載します。S&Wテストは満点が何点なのか認識されていないことも多いため「320/400点取得」というように満点の点数も記載しておきましょう。

2. IPテストでも書ける？

基本的に国内で正式なTOEICスコアとして求められているのは公開テストの点数です。

企業によってはIPテストのスコアが英語力の証明にならないこともありますが、IPテストのスコアを記載してはいけないわけではありません。

IPテストしか受験していないのであれば、

「2022年 5月 TOEIC IPテスト 750点取得」

というように記載します。必ずIPテストであることを明記してください。

3. 有効期限に注意

公式認定証やスコアレポートを紛失した際に再発行してもらえるのは、試験日から2年間ですが、TOEICのスコア自体には有効期限はありません。

ただ、就活や転職活動でTOEICスコアを提示する際、企業によっては

「◯年以内に取得したものに限る」

というように期限を指定されることがあります。

これは企業が今現在の英語力を知りたいと考えているからです。何年も前のスコアでは、正当な評価が受けられない可能性があります。

履歴書に書く前に企業の募集要項をしっかり確認し、期限の設定がないか確認しておきましょう。

4. 公式認定証は必要？

履歴書にTOEICのスコアを書く場合は自己申告で、企業からの指定がない場合は公式認定証を添付する必要はありません。

ただ、企業によっては添付を求めてくる場合もありますし、選考中のどこかのタイミングで提示を求められることもあります。

公式認定証はそのスコアを取得した正式な証明ですから、失くさないように保管しておきましょう。

紛失した場合、試験日から2年以内であれば再発行できます。失くした場合は早めに再発行してもらってください。

また補足として、2023年11月の公開テストより紙の公式認定証の発行は行われず、デジタル公式認定証（PDF）のみの発行となります。
https://www.iibc-global.org/iibc/press/2022/p212.html

TOEICスコアは何点から履歴書に書ける？

TOEICスコアは「何点以上でなければ履歴書に書いてはいけない」という明確なルールはありません。

ただ、一定レベルのスコアを取得していない場合は書かない方が無難です。どれくらいの点数なら履歴書に書けるのか、目安を紹介します。

必要なスコアは企業や業種によって異なる

企業や業種によって求める英語力は異なるので、何点から履歴書にかけるかは企業や業種によるところが大きいです。TOEICの2019年度の公開スコアの平均点は全体で588点でした。

また、TOEICを運営している国際ビジネスコミュニケーション協会が行った「英語活用実態調査2019」によると、一般的な中途採用で要件・参考にしているスコア平均は560点です。

500点台中盤から後半のスコアでは平均的な英語力とみなされるので高い評価は得られませんが、600点以上取得していれば就職・転職に有利に働く可能性があるでしょう。

日系企業で英語の使用頻度が高い部署や外資系企業であれば、さらに高い英語力が求められます。国内外資系企業は700点台を最低要件・条件としている企業が多く、日系企業でも700点を求められることは少なくありません。

英語を日常的に使うポジションを目指すのであれば、700〜800点以上を取得していれば自分の強みとして英語力をアピールできるでしょう。

新卒就活時と社会人転職時で違いは？

「英語活用実態調査2019」によると、採用で要件・参考とするTOEICスコアの平均は、

新卒：545点
中途採用：620点

でした。

ただ、2019年度の公開テストでは学生の平均点が567点、社会人は612点となっており、企業が求めるスコアの平均を上回っています。

新卒であっても転職であっても、企業や職種で異なりますが、新卒であれば570点以上、中途採用であれば620点以上を取得すれば、平均的な英語力があるとみなされるでしょう。

ただ、高い英語力をアピールしたいのであれば、企業が要件・参考とするスコアをそれぞれ100点以上超えるスコアは取得しておきたいところです。

転職の際は600点以下は書かない方がいい

2019年度のTOEIC公開スコアの全体平均は588点となっています。

600点以下の場合、平均程度か平均を下回ってしまうため、TOEICスコアを履歴書に書いてもマイナスに働く可能性が高いです。特に転職の場合、社会人の平均点が620点なので、600点以下だと「英語力が十分にない」とみなされてしまうでしょう。

評価されるTOEICスコアに明確な基準はありませんが、足切りの対象になってしまうこともあります。求めるスコアを600点以上としている日系企業も多いため、600点を下回るとプラスの評価はしてもらいにくいです。

TOEICスコアが足りない場合は…

TOEICスコアが足りない場合、現段階ではTOEIC以外でアピールできる資格や実績を履歴書に書きましょう。

そして、今後英語力を自分の強みとしていくために、目標を決めてTOEIC学習に取り組み、将来履歴書に書けるTOEICスコアの取得を目指してみてください。

オックスフォード大学出版によると、550点から650点取得には225時間、750点取得には450時間、850点取得には725時間の勉強時間が必要です。

600点以上を目標とするなら問題集を使ってリーディングを中心とした対策を行い、基礎文法を見直して、語彙力をアップさせましょう。

700点以上を目標とする場合は、高校レベルの文法を完璧にマスターし、実際のTOEICテストの制限時間を意識してリーディング問題を解く練習をしてみてください。

800点台を目指している場合は、これらの学習に併せて、英字新聞や英語の記事をスラスラ読み、8割程度理解できる読解力を身につけることを意識してみましょう。

またどの点数を目指す場合も、公式問題集を使っての学習は欠かせません。問題集を解いて、自分が苦手とする問題の傾向を掴んでみてください。苦手なパートを重点的に取り組んで克服すれば、短期間でのスコアアップも見込めます。

まとめ

今回はTOEICスコアの履歴書への正しい書き方やポイントなどを解説しました。

せっかく取得したTOEICスコアですから、正しく書いて自分の強みをアピールし、就活や転職活動を成功に導きたいですよね。

応募する企業や職種の情報をよく調べて、今回紹介したスコア目安を参考に履歴書に記載しましょう。

残念ながらまだ600点を満たしていないのであれば、目標とする点数を決めて、効率的に対策するのがおすすめです。将来自分の強みとして英語力をアピールできるように、TOEIC学習に力を入れていきましょう。

また、これから受験する場合は、国内で正式なTOEICスコアであるTOEIC L&R公開テストを受験するようにしてください。