こんにちは。留学なし・国内独学でTOEIC L&R テスト990点満点8回、英検一級一発合格のぽるぽること渡邉淳です。
大学や専門学校、英会話スクール、動画講座などで約10,000名の方にTOEIC学習の指導をしてきました。
もともと英語ができた訳ではなく、TOEIC学習を始めてからいくつかの壁、今回であれば900点にぶつかってきました。その壁にぶつかりながらトライアルアンドエラーを繰り返して学習してきたため、学習者目線を忘れないことに定評があります。
今回は、問題集や復習について、自分自身の体験や実感をもとに、900点突破に最適な参考書を5冊ご紹介します。
これからTOEIC900点を目指して勉強する予定の方や、すでに勉強しているのに行き詰まっている方は、ぜひ読んでみてください。
この記事を書いた人
渡邉 淳
東京外国語大学外国語学部卒。留学なしでTOEIC990点満点、英検1級を取得。教材制作会社を経て、現在フリーランスの編集者・ライターをしながら、東京海洋大学で非常勤講師として勤務。担当はTOEIC。日本経済新聞や読売新聞、雑誌「PRESIDENT」など掲載実績あり。著書『TOEIC(R) L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画』、『1日5分からはじめる! 英語学習手帳』、共著『毎日の英単語』。
この記事を監修した人
セレン
留学経験、海外経験ゼロから31歳で英語学習を独学で開始しTOEIC LR満点、TOEICスピーキング満点、英検1級を取得。日本最大手IT企業にてTOEIC研修&英語学習カウンセリングを6年間担当。英語事業コンサルティング、高校生英語指導も行う。「英語のあたらしい読みかた」著者。
TOEIC900点突破のために最適な参考書とは?3つの選ぶポイント
TOEICで900点を目指すにあたって、参考書選びに困っている方はとても多いです。実際、難問を集めた模試や韓国で出ている模試を解いている方がいます。
ここには2つの問題があります。
- 解いている問題のレベルと自分のレベルにギャップがあること
- 肝心の「弱点把握」や「トレーニング」が疎かになること
です。どの問題を選び、どのように復習するかを押さえるだけで、スコアを改善できる可能性があります。
では早速、TOEIC900点突破に必要な参考書を選ぶうえで大事にしたいポイントを3つご紹介します。
1. タイトルや対象レベルにある数字を鵜呑みにしない
ハイスコアを狙う方向けの参考書が多く出版されています。すると、900点を目指す皆さんは「900」という数字に目がいきやすいですよね。
その姿勢は間違っていないのですが、参考書のなかには900点を取得した方でも解くのが難しいものが混じっているのも事実です。900点に到達するために学ぶべきことは人によって異なるため、参考書を作る側もさじ加減が難しいのでしょう。
そこで購入する前には必ず、自分で立ち読みなどをして、自分のレベルに合うかどうかを確認することが大事です。
2. 990点に照準を絞った参考書を選ばない
上記の「数字を鵜呑みにしない」ことに関連するのですが、990点をうたった参考書もあります。
「高地トレーニングが大切だ」という声はよくありますが、そのために900点よりも高い壁である990点を目指す方向けの参考書を手に取る人が多いです。
もちろん、そこから抜き取れる学びは多くありますが、990点向けの参考書はミスをなくすための超難問ばかりを扱ってます。僕も990点向けの参考書を使ったことがありますが、どの本も950点あたりの学習者を想定している印象を受けました。
背伸びするのは厳禁です。
3. 解説の量は「多め」を選ぶ
800点台にもなると、正解する問題が増えて、解説を読む機会が減るでしょう。
そこで、解説の少ない参考書や韓国語で解説が書かれた参考書で良いのかというと、そんなことはありません。
間違った問題の解説が少なかったりなかったりすると、解いて間違って終わりという事実が残るだけです。そこにレベルアップはありません。
900点の壁を突破するためには、間違った問題を二度と間違えないようにすることが大切です。その際に解説は必須と言えるでしょう。
解説が多くても損はしないので、解説の量を確認しておきましょう。
TOEIC 満点取得者厳選!900点取得に欠かせない参考書5冊
次に、900点取得に必須の5冊を体験を踏まえてご紹介いたします。
1. 900点に必要な問題を体に刷り込む『3週間で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト 900点!』
【CD-ROM・音声DL・別冊模試付】3週間で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト900点! (残り日数逆算シリーズ)
「900点」がタイトルに入っている本のなかでは、ベストと言っても過言ではありません。問題の難易度やトレーニングの負荷も適切です。
著者が豊富な受験経験を基にして作った模試を、とことん使い倒す構成です。この模試は「実際よりやや難しめ」ですが、900点を取得したい方にとっての難易度です。そういった絶妙なレベルがまとまっているのも使い勝手がよいです。
独特な学習スタイルで、この模試は3回解く仕掛けになっています。
- 1回目:
制限時間内に解くことで「受験力」を測定 - 2回目:
制限時間なしでじっくり考えて解き、「英語力」を測定 - 3回目:
2回目の後に約10日間で一問一問トレーニングをし、受験力も英語力も伸ばした効果を試す受験
僕自身、この本を通して自分の弱点が明確になりましたし、一問一問と向き合う方法やその奥深さを学ぶことができました。
「復習する」という言葉は耳にタコができるほど聞いていると思います。その具体的な方法である、一つの問題から最大限吸収する姿勢を得ることができました。その後のTOEIC学習や取り組み方にも活きています。
3週間で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト900点! (残り日数逆算シリーズ)
2. 言い換えのパターンをストックする『極めろ!リーディング解答力 TOEIC® L&R TEST PART 7』
極めろ!リーディング解答力 TOEIC® L & R TEST PART 7
「極めろ」というタイトルに込められたのは、圧倒的な問題演習量。対象は860点を目指す人となっていますが、900点を目指す方も問題数とレベルとともに十分に使える一冊です。
Part7の精度を高めるにあたり、英語を読む力を育てるのはもちろんのこと、解答の根拠がどのように選択肢に言い換えられているのかを正確に知る必要があります。その点でこの本では解答の手がかりになる英文に設問の番号が入っており、学習者フレンドリーです。
また、マークシートが3回分用意されており、一周目で間違った問題を炙り出して、2周目や3周目でミスをつぶしていくというスタイルを取ることができます。前に紹介した『3週間で攻略』と同じ要領で取り組める点も良いですね。
僕が使用していたときには、土日で解きまくるスタイルを取っていました。問題数が多い問題は一気にやり切るのが得策だからです。
この本でPart7に否応なく触れることによって、解き方の定着度がアップして、本文と選択肢の言い換えを見抜くのが得意になりました。
極めろ!リーディング解答力 TOEIC® L & R TEST PART 7
3. 難問の傾向を知る 『TOEIC LISTENING AND READING TEST千本ノック! 新形式対策 難問・ひっかけ・トリック問題編』
TOEIC LISTENING AND READING TEST千本ノック! 新形式対策 難問・ひっかけ・トリック問題編 (祥伝社黄金文庫)
タイトルにある通り、Part5の難問を集めた問題集です。
「千本ノック」シリーズは最新傾向から解くことをおすすめしていますが、すでに難問と言われる類の問題は傾向が見えているので、この一冊で制覇するのが良いでしょう。
150問程度ではありますが、Part5の難問に触れたことがない人は苦労するでしょう。どんな問題が難問になるのかを知れば、本番も含めて今後の対策をすることができます。
著者が呼ぶひっかけやトリックは無限にパターンがあるわけではないため、この本に収録されている傾向はすべて押さえましょう。
この手のPart5の問題集は買った日に一周するのが吉です。Part5はスピードが物を言う世界なので、問題演習もどんどんと進めていきましょう。今までのシリーズはすべて取り組んでいますが、どれも一日で終えられるものばかりです。
TOEIC LISTENING AND READING TEST千本ノック! 新形式対策 難問・ひっかけ・トリック問題編 (祥伝社黄金文庫)
4. ミスを少しでも減らす『TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』
TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル (TOEIC TEST 特急シリーズ)
「900点なのにPart1・2をやるのか」と思われるでしょう。
そこが落とし穴です。
900点という高いレベルを目指すにあたり、易しいと言われるパートにはいつもよりプレッシャーがかかります。解きやすい問題が多いのは事実ですが、難しい問題が出ることも事実です。
その難化するPart1・2問題の対策を集中的にするのがこの一冊です。
リスニングスコアが安定していれば、さほど苦労しないとは思いますが、短文パートでは失点を少しでも減らしたいため、抜け漏れを減らすように心がけたいですね。
Part1・2で神経をすり減らさない準備として、この本を使ってください。
問題演習自体は早く終わります。その後に、単語でわからないのか、音が聞き取れなかったのかなど、自分の間違い分析を取り入れると着実に難化した問題に対応できるようになっていきます。
TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル (TOEIC TEST 特急シリーズ)
5. 英語力アップに直結する復習法を知る『TOEIC L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画』
TOEIC L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画 (TOEIC TEST 特急シリーズ)
最後は復習に関する参考書のご紹介です。
問題演習は現在地の確認です。つまり、問題演習は今のレベルを知るだけで、英語力アップには寄与しません。
大事なのは、解いた後のトレーニングです。
よく「復習しよう」とは言われますが、具体的な方法はわからないのではないでしょうか。また、復習法に納得感がないまま進めているのではないでしょうか。
そのトレーニング内容(=復習法)を説いたのが本書です。Part 1という簡単と思えるパートですら、復習法が5つ掲載されています。例題を解いた後、実際に復習を体験する構成です。その後に練習問題があり、問題演習→復習の流れをつかむことができると言えるでしょう。
本書のなかでは、著者が学習者として効果を出した方法や、講師として生徒が効果を出した方法が厳選されています。
それぞれの方法に「なぜ取り入れると効果が出るのか」という話がふんだんに盛り込まれているため、納得感と安心感を抱きながらトレーニングを行うことができます。
この本をガイドにして、解いた問題を丁寧に復習していくと、英語力そのものをアップさせることができるでしょう。
TOEIC L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画 (TOEIC TEST 特急シリーズ)
TOEIC900点を狙った参考書の使い方とコツ
最後に、上に挙げた5冊を使用するうえで意識しておきたい「使い方」とその「コツ」についてお伝えします。
数少ないミスだけにとらわれない
TOEIC900点を目指すレベルだと、問題演習をしても間違いの数は少ないはずです。ミスした問題を分析して復習するのはぜひお願いしたいのですが、そこだけをやってはバランスが悪いです。
本番では易しい問題も難しい問題も出ます。
どちらも「素点1」とカウントされるため、どちらも正解を選べるように、バランスよく問題演習をしていきたいものです。
質と量のバランスに気を付ける
ハイスコアになるにつれて、問題演習量を増やしていく傾向にあります。これは正しいのですが、間違った問題へのアプローチによってはうまく機能しません。
ここで言う「質」は演習に対する復習だと考えてください。
経験的に質と量のバランスを可視化することは難しいです。ご自身の勉強を1日ごとか1週間ごとに振り返って、バランスが取れているかを確認すると良いでしょう。
まとめ
本記事ではTOEIC900点を目指すうえでおすすめの参考書5冊をご紹介しました。
900点取得において「問題演習」と「復習」のバランスが重要です。多くの方が問題演習に目が行きがちですが、一問から吸収しようと意識すると景色が変わってきます。
今回ご紹介した5冊に一気に取り組むことは難しいでしょう。900点を取得したい時期を決めたうえで、学習計画を立てることから始めてください。
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