こんにちは。TOEIC満点講師/Garibenコーチの上田哲也です。
きっとこの記事を読んでくださっている皆さんは、TOEICのリスニングでスコアアップを目指していることと思います。ですが、テキストを使ってリスニングの勉強をするとなると、どうしてもかさ張ってしまったり内容が難しそうだったりで、なかなか手が出しにくいですよね。
そんなときに是非活用していきたいのが、英語学習アプリです。アプリを利用することで、どこでも手軽に、しかも効率的にTOEICのリスニング対策をすることができます。
ということで今回は、TOEICのリスニング対策にアプリがおすすめの理由、アプリを選ぶ際のポイント、そしておすすめのアプリを8個紹介したいと思います。
まずはアプリを使って手軽にTOEICのリスニング対策をしてみたいという方、是非この記事を参考にして自分にぴったりのアプリを見つけてください。
この記事を書いた人
上田 哲也
バンクーバー留学、鉄鋼商社勤務を経て、現在は英語講師として企業研修などを担当。著書に『時短省力 私の英語勉強法』がある。TOEIC990点 / 英検1級 / IELTS8.0 / 国連英検特A級
この記事を監修した人
セレン
留学経験、海外経験ゼロから31歳で英語学習を独学で開始しTOEIC LR満点、TOEICスピーキング満点、英検1級を取得。日本最大手IT企業にてTOEIC研修&英語学習カウンセリングを6年間担当。英語事業コンサルティング、高校生英語指導も行う。「英語のあたらしい読みかた」著者。
TOEICリスニング対策にアプリをおすすめする3つの理由
まずはTOEICのリスニング対策になぜアプリがおすすめなのか、その理由を3つお伝えします。
理由1|隙間時間を活用できる
アプリを活用するべき一番の理由は、隙間時間が活用しやすくなるからです。
アプリを使うことで、音声の再生はもちろんのこと、問題を解いたりその答え合わせまですべてスマホで完結するので、どこでも手軽にリスニングの勉強ができるようになります。
一般的なTOEICにおけるリスニング学習では、音声を聞くのはもちろんのこと、同時にスクリプトを確認したり、問題を解いたりする必要があります。ですが、それを移動時間などでやろうとすると、片手でスマホから音声を探して、もう一方の手でテキストを開くなど、とても手間がかかりますよね。
そこで隙間時間はアプリを使って学習し、自宅やカフェでまとまった時間がとれるときはテキストを活用するなど、うまくアプリを使いこなしてTOEICでスコアアップを狙っていきましょう。
理由2|音声の再生がしやすい
アプリを使うことで、音声の再生が格段にラクになるのもポイントです。
多くのテキストにはCDが付いていたり、指定のサイトから音声がダウンロードできるようになっています。ところが、アプリで英語学習をすることで、そういった手間を一切かけることなく、どこでもすぐに音声を聞くことができるのです。
また、この記事の後半で紹介するようなアプリを使うことで、市販のテキストの音声であっても、手軽にアプリから音声を再生することができます。このことから、アプリで学習する際はもちろんのこと、テキストを使って学習をするときもアプリは必須ツールと言えます。
理由3|音声の速度を柔軟に変えられる
アプリを使うことで、音声の速度を簡単に調整することができます。
多くのリスニング学習アプリでは、音声のスピードを自由に変えられる機能がついていて、聞き取りが難しい箇所などがあったときには、ゆっくりとした音声で確認をすることができます。
またアプリによっては、速度調整ができるだけでなく、5秒ごとの巻き戻しボタンのように、細かく巻き戻しができる機能があり、聞き逃した箇所の確認にとても便利です。
このように、アプリを使うことで、従来のリスニング学習よりもずっと効率的に英語を学ぶことができます。
TOEICのリスニング対策アプリを選ぶときのポイント
ここからは、TOEICのリスニング対策アプリを選ぶ際に、意識しておくべきポイントを3つお伝えします。
ポイント1|有料アプリ or 無料アプリ
まずは「アプリが有料か無料か」ということです。
結論から言うと、有料アプリの方がクオリティが高いことが多いです。そのため、最初は無料のアプリから試していくとしても、最終的には有料アプリに移行したり、アプリに課金して利用することをおすすめします。
一方で、無料でも十分にクオリティが高いアプリもなかにはありますので、そういったものは是非積極的に使っていきたいところです。
無料のものを含むおすすめのアプリは、この記事の後半で紹介していきます。
ポイント2|自分のレベルに合ったアプリを選ぶ
次に考慮するべきポイントは、「アプリのレベル感」です。
一口にリスニングアプリと言っても、学習者用に加工された取り組みやすい音声から、ネイティブレベルの素材まで、そのレベルはさまざまです。
英語学習において重要なのは、ご自身のレベルに合った素材を使うこと。具体的には、音声を繰り返し聞いたり、辞書を引くなどして、音声の内容が9割以上は理解できるくらいのレベル感がおすすめです。
この記事では、紹介しているアプリごとに対象レベルを記載しているので、是非それらを参考にして、ご自身に合ったアプリを見つけてみてください。
ポイント3|アプリの操作性が良いか
最後に、「操作性」です。
やはり長い時間使うアプリだからこそ、アプリの使い心地はとても重要です。
私自身もいろいろなアプリを使って英語を学んでいますが、直感的に使えるアプリは、使っていて楽しいので勉強がどんどん進みます。
一方で、どんなにコンテンツが良くても、操作性がイマイチであれば英語学習のモチベーションも落ちてしまいますし、それが原因で学習量が減ってしまえばスコアも伸び悩みます。
このことから、実際にアプリをダウンロードしたら、まずはその使い心地をチェックしましょう。もし使ってみて自分に合わないなと感じたら、遠慮せず別のアプリを試してみることをおすすめします。
無料あり!TOEICリスニング対策におすすめのアプリ8選
ここからは、TOEICのリスニング対策に役立つアプリを8個紹介していきます。
その1|TOEIC公式アプリ
まずおすすめしたいのが、TOEICの公式のアプリです。唯一の公式のアプリということもあり、最初にこのアプリを紹介したいと思います。
このアプリには、人気ポッドキャストの『TOEIC presents English Upgrader』のコンテンツが掲載されていて、たくさんのエピソードをもとに、TOEICでも頻出のフレーズを学ぶことができます。
各エピソードはおよそ10分となっており、英語のスクリプトと日本語訳がついています。また毎回10個前後のフレーズを学ぶことができるので、リスニング学習だけでなく表現力のアップにも繋がること間違いなしです。
またアプリを開くと「今日のフレーズ」が上部に表示され(例えば2023年3月31日は”business as usual”というフレーズ)、例文と3択問題でフレーズを学ぶことができます。
ほかにも、公式のアプリということもあり、TOEIC公開テストの日程などもチェックすることができるのも特徴です。
正式名称:TOEIC公式アプリ
対象レベル:初級〜中級
料金:無料
ダウンロード先:iOS / Android
※10/31時点
その2|abceed
次におすすめしたいのが、『abceed(エービーシード)』です。
このアプリでは、TOEIC公式問題集や『金のフレーズ』をはじめとした、TOEIC受験者であれば必須のテキストの多くにアクセスできるなど、TOEIC学習に役立つさまざまな機能があります。
ちなみに、テキストの音声だけであれば無料で聞くことができるため、私自身もTOEICのテキストの音源はCDをダウンロードするのではなく、基本的にはいつもabceedを利用しています。
また再生速度を自由に調整することも可能です。そのため、聞き取りにくい箇所はゆっくりにして確認したり、自分に最適なスピードでシャドーイングなどの練習をすることができるのも嬉しいポイントです。
無料でも130タイトル以上の音声を聴くことができますが、課金をすることでTOEICのオンライン模試を解くこともできるため、本格的にTOEICの学習に取り組みたい方は、ぜひ有料版も検討してみてください。
正式名称:abceed
対象レベル:初級〜上級
料金:一部有料(1,650円〜/月)
ダウンロード先:iOS / Android
※10/31時点
その3|スタディサプリENGLISH TOEIC®L&Rテスト対策
『スタディサプリ』では、豊富な演習問題と動画コンテンツで、TOEICのリーディングやリスニングなどの包括的な学習ができます。
特にリスニング問題では、問題を解くだけでなく、ディクテーションやシャドーイングができる機能がついているのが特徴です。なかでもシャドーイングの練習では、自分の音声が録音され確認することができる機能が備わっています。
そのため、通常のシャドーイングでは、ただやって終わりになってしまいがちですが、スタディサプリを使うことで、しっかり自分自身の音声を確認して改善に繋げることができます。
また、TOEIC関連の著書も多数ある関先生による1回5分の動画講義が580本も入っているのも大きな特徴です。問題演習や文字だけの解説だけでは理解できなかったことも、動画であればスッと頭に入ってきます。
最初に7日間のお試し期間がありますので、是非まずはそちらから試してみてください。
正式名称:スタディサプリENGLISH TOEIC®L&Rテスト対策
対象レベル:初級〜上級
料金:3,278円/月
ダウンロード先:iOS / Android
※10/31時点
その4|Listening for the TOEIC test
『Listening for the TOEIC test』は、TOEICのリスニングに特化した無料アプリです。すべて英語ではあるものの、操作も直感的でとても使いやすい仕様となっています。
使い方はとても簡単で、まずはPart1〜Part4のなかから取り組みたいパートを選択します。問題に回答するとすぐに答え合わせができるので、間違えた問題は重点的にスクリプトをチェックしてみてください。
写真描写を聞き取るPart1で「色を問う問題」があるなど、実際のTOEICとはやや異なる部分もありますが(実際のTOEICは写真が白黒のため、色を問う問題は出題されません)、TOEICの出題形式に慣れるための最初の一歩としては良いアプリと言えそうです。
正式名称:Listening for the TOEIC test
対象レベル:初級〜中級
料金:無料
ダウンロード先:iOS / Android
※10/31時点
その5|日経LissN
『日経LissN』では、日経電子版に掲載された実際の記事を、英語と日本語の両方で聴くことができます。
1日の記事は3〜5記事で、1記事あたりの音声は約2分ですので、ひとつずつ丁寧に取り組むにはちょうど良い量です。
また、再生速度を0.7〜2.0倍で調整でき、5秒ずつ巻き戻すこともできるため、聞き逃した箇所があってもすぐに確認をすることができます。各記事につき3問の理解度テストもついているため、ぜひ記事を読んだ後はそれらの問題にも取り組んで、理解度をチェックしてみてください。
全体的に新聞記事をベースにしているため難易度は高めですが、ビギナー向けの記事(タイトルに音符マークがついています)も含まれているので、いきなり本格的な英語はハードルが高いという方は、是非そちらから試してみてください。
社会人のTOEIC学習者の皆さんであれば、朝の通勤時間で新聞などから情報収集をする方も多いかと思いますが、その時間の一部を『日経LissN』を使って英語学習と兼ねてみてはいかがでしょうか。
ちなみにブラウザ版もあるので、自宅やカフェでじっくり記事を読みたいという方は、そちらを使うのもおすすめです。
正式名称:日経LissN
対象レベル:中級〜上級
料金:3,300円〜/3ヶ月
ダウンロード先:iOS
※10/31時点
その6|TEDICT
『TEDICT』は、あの有名な『TED Talks』を使ってディクテーションができるアプリです。
基本的な使い方は、TED Talksの音声を聴きながらタイピングして、答え合わせをするというもの。また、音声認識機能を使うことで、タイピングの代わりに音声入力をすることもできます。こうすることで、正確に発音を聞き取ってもらう必要が出てくるので、英語の発話力も同時に鍛えることができます。
TOEICよりも難易度はずっと高いですが、TED Talksでディクテーションができるようになれば、TOEICのリスニングはかなり易しく感じるはずです。また有益なプレゼンが題材になっているため、英語学習だけでなく教養も一緒に身につけられるのもポイントです。
正式名称:TEDICT
対象レベル:上級
料金:800円(買い切り)
ダウンロード先:iOS / Android
※10/31時点
その7|StudyNow
『StudyNow』では豊富なオリジナル記事を読むことができます。
このアプリの特徴は、掲載されている記事がそれぞれ100語程度の長さで書かれており、とても読みやすい分量だということです。
語彙レベルはネイティブ向けの記事と遜色ありません。しかし分量がコンパクトで、日本語訳がついているだけでなく、例文つきで単語の解説があるため、英語学習者にとっても取り組みやすいコンテンツとなっています。
一部有料の機能もありますが、無料の範囲でも豊富な記事にアクセスすることができ、十分に質の高いリスニング学習ができるアプリです。
正式名称:StudyNow
対象レベル:中級〜上級
料金:一部有料(360円/月)
ダウンロード先:iOS / Android
※10/31時点
その8|Audipo
最後に紹介するのが『Audipo』という、音声ファイルの再生速度を調整したり、特定の箇所だけを繰り返し再生することができるアプリです。一部の機能が有料ですが、無料の範囲でも十分な機能があります。
英語学習をしていると、ゆっくり聴きたい箇所があったり、あるいは同じ箇所をぐるぐると繰り返し聴きたいことがあるものですが、そんなときに重宝するのがこちらのアプリです。
特にディクテーションで特定の箇所だけをループ再生したり、英文の暗唱をするために繰り返し同じ音声を聴きたい場合に使用することをおすすめします。
また逆に速度を速くしてTOEICのリスニング問題に取り組むという使い方もあります。具体的には、本番よりも少し早い1.2倍速で普段から練習をするという使い方もおすすめです。
正式名称:Audipo
対象レベル:全レベル
料金:一部有料(200円/月・600円/年)
ダウンロード先:iOS / Android
※10/31時点
まとめ
本日はTOEICのリスニング対策にアプリを使うべき理由、アプリを選ぶ際のポイント、そしておすすめのアプリ8選を紹介しました。
今回紹介したアプリは、有料のものが比較的多めでしたが、どれもクオリティが高いものばかりです。
これらのアプリはうまく使いこなすことで、英語学習の強力な味方になるものなので、ぜひ今回紹介したなかから、皆さんにとって最適なアプリを見つけてみてください!