こんにちは。TOEIC満点講師/Garibenコーチの上田哲也です。
きっとこの記事を読んでくださっているみなさんは、
短期間でTOEICのスコアを上げたい!
と考えていることかと思いますが、いざTOEICの勉強をしようとしても、何から手をつけていいかなかなか分からないですよね。あるいは、
そもそも3ヶ月でTOEICのスコアは上がるのか?
と不安に思っている方も多いかと思います。
ということで今回は、3ヶ月でTOEICのスコアを伸ばすための具体的なスケジュールや方法について、目標設定の仕方やおすすめのテキストなども含めて紹介していきます。
短期間でTOEICスコアを上げたい方は、ぜひ最後までこの記事を読んで、目標達成のための具体的な戦略を立ててみてください!
この記事を書いた人
上田 哲也
バンクーバー留学、鉄鋼商社勤務を経て、現在は英語講師として企業研修などを担当。著書に『時短省力 私の英語勉強法』がある。TOEIC990点 / 英検1級 / IELTS8.0 / 国連英検特A級
この記事を監修した人
セレン
留学経験、海外経験ゼロから31歳で英語学習を独学で開始しTOEIC LR満点、TOEICスピーキング満点、英検1級を取得。日本最大手IT企業にてTOEIC研修&英語学習カウンセリングを6年間担当。英語事業コンサルティング、高校生英語指導も行う。「英語のあたらしい読みかた」著者。
3ヶ月でもTOEICのスコアアップはできる!
まず大前提として、3ヶ月でTOEICのスコアをアップさせることは十分に可能です。
実際に私がコーチを務めるGaribenでも、学習プログラムをしっかりこなしてくださっている方は、ほぼ例外なくスコアをアップされています。(最大でスコアが290点UPしている方も…)
TOEICで100点上げるのに必要な勉強時間
TOEICのスコアを100点アップさせるには、200〜300時間くらいの学習時間を見込んでおくことをおすすめします。
もしかすると、「少し時間がかかり過ぎる」と思われたかもしれません。
たしかに、誰でも努力をすればTOEICのスコアをアップさせることはできます。しかし、TOEICで100点アップという結果をこれだけの短期間で達成するには、しっかりと腰を据えた学習をすることが重要なのです。
しかしこのデータはあくまで平均なので、もともとテスト慣れしていない方であればもっと短い時間で達成することもあります。逆に、効率的な学習法が実践できていない場合などは、より長い時間がかかってしまうケースもあります。
3ヶ月で達成できる目標設定とは
先ほど説明したように、TOEICでおよそ100点のスコアアップを実現するには、200〜300時間ほどの学習時間が必要です。
そのため目標設定をする際には、1日2時間しっかり学習してTOEICで100点アップ、あるいは1日1時間の学習で50点アップを目指すというのが現実的だと考えられます(実際にGaribenでは、毎日2時間の学習を推奨しています)。
ちなみに、TOEICの各スコアのレベル感の目安は下記のとおりです。ご自身の現在のスコアと、TOEIC学習に使える時間なども考慮して、ぜひ目標設定の参考にしてください。
TOEIC600点の英語レベル
TOEIC600点は、履歴書に書くことができるレベルと一般的に言われています。
いざ英語で仕事をするとなると、まだ不安に感じる方も多いかもしれません。しかし、TOEICで600点を持っているということは、これまで本腰を入れて英語の勉強をしてきた証ですので、英語に対する苦手意識は徐々になくなってきているはずです。
TOEIC700点の英語レベル
TOEIC700点を持っていると、実務で英語を使えるレベルになってきます。
もしかすると、海外の取引先との電話やウェブ会議に苦手意識を持つ方もいるかもしれません。しかしこのレベルになると、英語でメールをしたり、英語の請求書や書類などを捌くなど、ある程度幅広い業務をこなすことができるようになっています。
TOEIC800点の英語レベル
TOEIC800点になると、自信を持って幅広い業務を英語で遂行できるレベルになります。
TOEIC対策だけでなく、しっかり英語を話すことも並行でトレーニングしていれば、海外出張に行っても問題なくビジネスをすることが可能になるはずです。
TOEIC900点の英語レベル
TOEIC900点になると、十分に英語でコミュニケーションがとれ、海外で仕事ができるレベルになります。
私自身も前職で商社に勤務していましたが、当時のTOEICスコアが900点を超えていたこともあり、国際的な業務に携わる部署に配属してもらい、多数の海外出張に行かせてもらうことができました。
短期間で効果を出す勉強法
ここからは短期間でTOEICのスコアをアップさせる勉強法を3つお伝えします。
紹介している内容を参考にぜひ実践してみてください!
その1. 語彙力を強化する
TOEICでは各スコアごとに必要な語彙力というのがある程度決まっています。例えば、TOEIC600点の場合、4,000〜4,500語必要です。
TOEIC600点を目指す方にとって、単語帳に書かれているTOEIC600点レベルの単語というのはすべて覚える必要のある単語です。自身の目標スコアに応じた必要な語彙をしっかり抜け漏れのないように覚えていきましょう。
単語を覚える目安としては、単語を見て1秒ほどで日本語の意味が言えるくらいを目指してみてください。またTOEICでは、リーディングだけでなくリスニング能力も問われるので、単語を覚える際には必ず声に出して覚えるようにしましょう。
その2. 文法力を強化する
TOEICの文法学習というと、一般的にはPart5の問題集を解く方が多いと思いますが、問題を解き、答え合わせをしただけで終わりにならないように注意が必要です。
Part5の問題でもし間違えてしまったものがあったら、その問題の答えを覚えるのではなく、間違えてしまった根本的な原因(例えば、前置詞と接続詞の区別ができていなかったなど)を解決する必要があります。
また文法学習は、文法用語を覚えることがゴールではありません。その文法事項を含む英文を読んだり聞いたりして、正確に速く理解することが目的です。そのため、トレーニングを通して「英語を理解できる力」を身につけていきましょう。
その3. 実践形式の問題に取り組む
語彙や文法などの基礎力をつけたら、実践問題に取り組んでいきましょう。TOEIC公式問題集などの模試を含むテキストを1冊必ず用意しておいてください。
模試に取り組む際には、まずは2時間きっちり時間を測って、マークシートを印刷して取り組みましょう。そうすることで本番でどのような時間配分をするべきなのかといった、試験に対する感覚を養うことができます。
また復習をする際には、リスニングのスクリプトやリーディングの本文を、しっかり精読して声に出す練習をしてください。精読をする際には、英文を意味のかたまりごとに区切る、スラッシュリーディングがおすすめです。
スコア別オススメ教材
ここからはスコア別におすすめの教材を紹介していきます。
自身の目標スコアに合わせて教材を揃えていきましょう!
500点台の人向けの教材
まずは現在のスコアが500点台の方におすすめのテキストです。
公式TOEIC Listening & Reading 500+
『公式TOEIC Listening & Reading 500+』は、TOEIC公式問題集とは異なり、TOEIC500点前後を目指す学習者向けに作られたテキストです。
本番と同じ形式の模試に加えて、「パート別 出題の傾向」や「基本の70問 演習」のセクションを通して、TOEICで必ず正解しておきたい基本的な問題に集中して取り組むことができます。
ターゲットが500点ほどの方向けの問題集ではありますが、すでに500点台に到達している方であっても、確実に押さえておきたい問題がたくさんあるはずです。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
『銀のフレーズ』は、あの有名な『金のフレーズ』をベースに、TOEIC600点を目指す人に特化した内容になっています。
TOEICを受ける人であれば誰もが知っておきたい1000単語が厳選されていますので、ぜひ一つ残らず暗記するつもりで取り組んでみてください。
英単語を見てすぐに日本語が分かるかをテストしたり、左ページの例文を見て穴埋め問題に答えられるかをチェックしたりすることで、いろいろな角度から単語のテストをして記憶に定着させるようにしましょう。
関正生の TOEIC® L&Rテスト 文法問題 神速100問
『関正生の TOEIC® L&Rテスト 文法問題 神速100問』では、およそ100問のPart5の問題を通して、合計200以上の文法における重要項目を学ぶことができます。
各問題につき文法の重要なポイントが2つずつ紹介されているため、効率よく知識をつけていくことができるだけでなく、重要なポイントはこの本を通じて複数回登場するので、1周解くだけでもそれらの復習ができるようになっています。
600点台の人向けの教材
次にTOEIC600点台の方におすすめの教材です。
公式TOEIC® Listening & Reading 650+
TOEICの模試には、『公式TOEIC® Listening & Reading 650+』を使用します。
このテキストは
- 「パート別 出題の傾向」
- 「必答140問 演習」
- 「本番形式テスト 200問」
の3部構成となっています。
おそらく既に600点以上のスコアを持っている方であれば、TOEICの出題形式は十分に知っているはずです。最初の部分はざっくり目を通すくらいで大丈夫ですので、「必答140問 演習」と「本番形式テスト 200問」に中心に取り組んでみてください。
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
単語帳は王道の『金のフレーズ』を使っていきましょう。
この単語帳は著者自身が80回以上の受験経験などを元にした、TOEICに特化した内容の単語帳となっています。
まずは600点レベル「助走の400語」に分からない単語がひとつもないことを確認してください。もし「助走の400語」で不安な語彙があったら、まずはそれらを完璧に押さえてから、730点レベル「加速の300語」の学習に進んでいきましょう。
1駅1題! TOEIC L&R TEST 文法特急
文法はTOEIC文法問題集の名著『文法特急』で固めていきます。
150問以上のPart5・Part6の問題を解きながら、何を意識しながら問題を解けばいいのかを学ぶことができます。
初級編、中級編、上級編と分かれていますが、現在600点レベルであればまずは初級編と中級編は確実に仕上げておきましょう。そのうえで余力があればぜひ上級編にもチャレンジしてみてください。
3ヶ月でTOEICスコアを上げる勉強スケジュール
ここからは3ヶ月でTOEICのスコアを確実にアップさせるためのスケジュールをお伝えします。
スケジュールを立てるときのポイント
まず学習計画を立てるときのポイントですが、大きく2つあります。
ポイント1. いつどこでやるかを明確にする
学習計画を立てる際には、時間と場所をセットで決めておくことをおすすめします。
例えば会社員の方であれば、行きの通勤電車でやること、出社前のカフェでやること、お昼休みにやることといった具合に学習内容を決めていきます。そうすることで、英語学習を始めるきっかけが明確になり、習慣化がしやすくなります。
ちなみに、通勤電車ではテキストは開けないからアプリ学習をする、帰宅後は疲れてしまっているから自分の好きな学習メニューを持ってくる、などの工夫も大切です。
ポイント2. 無理をしすぎない
本腰を入れてTOEIC学習をしようとすると、どうしても気合を入れて学習計画を組みがちです。しかし、「実際にできること」は「やれそうなこと」の半分くらいだと思っておくくらいがちょうどいいでしょう。
人間は計画を立てるとき、将来の自分は疲れることなくやる気に満ち溢れていることを前提としてしまいがちです。しかし実際のところ、仕事終わりはどうしても疲れが溜まっていますし、毎日モチベーションがあるとも限りません。
そのため、ある程度余裕を持った現実的な目標を立てることを意識するようにしてください。
モデルスケジュール
ここからは、「TOEIC600点の社会人の方」を想定して、3ヶ月間でどのような学習ができるのかモデルスケジュールを立てていきます。
1ヶ月目
まず最初の1ヶ月は、英単語をしっかり覚えて、英語力の土台を作ります。
使う単語帳は『金のフレーズ』で、まずは600点レベル「助走の400語」に取り組んでいきます。
まずはこれらの単語を分かるものと分からないものに仕分けて「知らない単語」を毎日必ず1回は復習することで、すべての単語においてすぐ日本語訳の意味が思い浮かぶことを目指します。
文法は『文法特急』を使って学んでいきます。
最初の1ヶ月では「初級編」にあたる第1章と第2章に取り組んでいきましょう。その際に、問題を解くだけでなく、問題の英文すべてを吸収するつもりで取り組むのがコツです。具体的には、ひとつひとつの問題でスラッシュリーディングと音読まで実践するようにしましょう。
最後に『公式TOEIC® Listening & Reading 650+』を使って、実践形式のトレーニングをしていきます。
まずは時間をきっちり測りながら「必答140問 演習」の問題を解いてみてください。答え合わせをしたら、1ヶ月かけてすべての問題を丁寧に復習していきます。やり方は先ほどと同様に、スラッシュリーディングと音読です。リスニングのスクリプトと、リーディングの本文のすべてにおいてそれらの学習法を実施していきます。
2ヶ月目
2ヶ月目に入ったら、『金のフレーズ』は730点レベル「加速の300語」に進みます。
こちらも同様に、分かる単語とそうでない単語を仕分けて、分からなかった単語だけに集中して、毎日必ず1回は復習をするようにします。
『文法特急』の「中級編」の問題に取り組みます。
スラッシュリーディングと音読はもちろん継続しつつ、解説ページにある「グリーン車マーク」の文法事項も確認するようにしてください。これらの内容はTOEICにおいては必須のものばかりですので、もし理解が曖昧な箇所が出てきたら、辞書を引くなどして知識を補強しておくことをおすすめします。
『公式TOEIC® Listening & Reading 650+』は、Section3の「本番形式テスト 200問」に進みます。
2時間しっかり測って、本番と同じように200問に取り組みましょう。そして、1ヶ月間かけてすべての問題を復習していきます。
3ヶ月目
最後に『金のフレーズ』でこれまで学んだ単語をすべて復習していきます。
英単語を見て日本語がすぐに思い浮かぶかだけでなく、左ページの例文を見て穴あきの単語が答えられるかを確認したり、右ページの単語に関連する知識も吸収していきましょう。
『文法特急』はいよいよ最後の「上級編」です。
ここまでくると英文は正確に読めるようになってきていると思いますので、あとはTOEICに対して速く正確に回答する技術を磨いていきましょう。そのためページ下部にある「花田ナビ」や「花田語録」の内容を確認しながら、TOEICの文法問題を最短でクリアする視点を養ってください。
『公式TOEIC® Listening & Reading 650+』では、これまでの総復習をしていきます。
特にこれまで解いてきて、間違えた問題、難しいと感じた問題は特に重点的に復習をしていきましょう。それらの問題については、リスニングであれば音声を聞いて書き取るディクテーションをしてみたり、リーディングであれば読みにくいと感じた英文を暗唱してみてもいいかもしれません。
まとめ
今回は、3ヶ月間でTOEICのスコアアップを目指す方に向けて、おすすめの参考書・テキスト、具体的な学習スケジュールなどについてお伝えしてきました。
短期的にスコアを上げるには、ある程度まとまった時間の学習が必要にはなります。しかし、正しい方向で努力をすればしっかりと結果を出すことができますので、ぜひこの記事の内容を参考に一歩踏み出していただけると嬉しいです。