【隙間時間を活用しよう】社会人が英語を学ぶメリット・必要な理由は？

これから社会人になる人や、すでに社会に出て今後のキャリアプランを考えている人のなかには

「社会人として成功するなら英語を学ぶべき」

と耳にしたことがある人も多いはずです。

しかし、日常や仕事で英語を必要とする機会に出会うことがほとんどなく「本当に英語が必要なの？」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、社会人に英語スキルが必要な理由や英語を学ぶメリット、社会人に求められる英語力の目安などをご紹介します。

海外や英語が全く関係ないと思われるような業種や職種でも、今後英語を必要とする機会が出てくる可能性は非常に高いです。英語は勉強し始めてすぐ身に付くスキルではありません。

本記事を参考にして社会人に必要な英語力のレベルを理解し、今のうちから英語学習に取り組んでみましょう。

なぜ社会人が英語スキルを身につける必要があるのか？

どうしてこれほどまでに「社会人には英語が必要」と言われるのでしょうか。

社会人が英語を学ぶメリットを知る前に、社会人に英語が必要とされる背景を見ていきましょう。

海外進出する企業が増えている

社会のグローバル化はこれまでも進んできましたが、企業の海外進出はさらに増えてきています。

外務省領事局政策課が2017年に発表した「海外在留邦人数調査統計」によると、2017年時点で国外に進出している日系企業の拠点数は73,531拠点。前年よりも約5.2％増加し、統計が開始されてから過去最高を記録しています。

少子高齢化によって日本のマーケットは縮小傾向にあります。日本国内のみを対象にしたビジネスでは、今後業績が伸び悩み、売上が下がるリスクが高いのは明白です。そのため、より多くのビジネスチャンスを求め、海外進出する企業が増えています。

英語スキルを身につけていれば、自社が海外進出した際、重宝される人材になれるでしょう。

リモートワークが普及して海外がより身近に

コロナ禍の影響もあり、ここ数年でリモートワークという新しい働き方が一気に普及しました。リモートワークの普及は、日本だけでなく世界的に見られる動きです。そのため、海外の企業にも自国以外の人材を雇用するケースが増えてきました。

プログラマーやシステムエンジニア、ウェブデザイナーなど、デスクワークで完結する仕事なら、日本にいながら海外の企業で働いたり、フリーランスとして仕事を受けたりするチャンスもあります。

しかし、いくら仕事に関するスキルや知識があっても、コミュニケーションが円滑にできる英語力がなければ仕事を受けることができません。英語スキルを身につけておけば、国を超えて活躍するチャンスが一気に増えるでしょう。

翻訳機やAIでのコミュニケーションは万能ではない

近年は翻訳機やAIが発達し、精度が高まっているのも事実です。しかし、翻訳ツールを使用すると、どうしても機械的な翻訳になり、英語が不自然になってしまいます。

また、ビジネスではちょっとした意味の取り違えが、大きな問題になってしまうことも少なくありません。翻訳ツールは細かいニュアンスまで正確に翻訳してくれるわけではないので、正確に伝えられない可能性も高く、トラブルが起きてしまう恐れがあります。

リアルタイムでコミュニケーションを取る際も、翻訳ツールを介すと、スムーズなやり取りができません。テンポのいい会話で相手との良好な関係を築くためにも、英語力は必要不可欠です。

英語で公開されている情報量が圧倒的に多い

ビジネスで成果を上げるためには、最新の情報をいち早く掴む必要があります。

毎日さまざまな情報が発信されていますが、最先端の情報の多くが英語で公開されていることをご存知でしょうか。英語を理解していれば、情報がリリースされたと同時に、必要な情報を入手することができます。

英語は全世界で約14.52億人が話していると言われており、世界で最も使われている言語です。最先端の情報に限らず、英語で公開されている情報は日本語よりも圧倒的に多いため、英語スキルがあれば、必要な情報を簡単に得られます。

社会人が英語を学ぶメリット

英語を学ぶ必要性が理解できても「それでどんなメリットが得られるの？」と疑問に思っている人もいるはずです。

ここからは、社会人が英語を学ぶことで得られる5つのメリットをご紹介します。

就職・転職で有利になる

海外進出している・していないにかかわらず、多くの企業が英語スキルを持った人材を求めています。海外進出する企業が増え続けている今、今後さらに英語スキルがある人材への需要が高まっていくでしょう。

英語が使いこなせれば、就職や転職の選考において英語力をアピール材料にできます。

英語力だけで就職や転職が有利になるわけではありませんが、同等の経歴や能力を持つ人材が2人いる場合、英語スキルがない人よりもある人の方が有利になる可能性が高いです。

英語を身につけるまでに努力したこと自体も、就職や転職でアピールする武器になります。

年収アップが目指しやすい

昇進や昇給の一つの要件として、英語スキルを挙げている企業は少なくありません。

今後必要不可欠となる英語スキルを持つ人材は、企業にとって手放したくない人材です。高待遇を提示されることも多いため、年収アップが目指せる可能性は高いです。一定以上の英語スキルを持つ社員に対して、手当を出している企業も多くあります。

同じ職種であっても、日本より海外の方が給料がいいケースは多いです。英語が使いこなせれば、海外の企業で働くチャンスもあるため、より年収アップが目指しやすくなります。

キャリアの選択肢が広がる

英語スキルが身についていれば、キャリアの選択肢は格段に広がります。

求人サイトを見てみると、一定以上の英語力を持つことを応募条件にしている企業も少なくありません。特に外資系企業は高い英語力を求めていることが多いです。

英語を学べば、これまで応募できなかったような仕事に応募することができるため、仕事の幅が一気に広がります。社内でも評価されやすいので、重要な案件を任される可能性も高く、海外出張や海外赴任など、海外で活躍するチャンスも得られるかもしれません。

リモートワークの普及により、日本にいながら海外の企業で働く人や、仕事を請け負う人も増えてきています。英語を使いこなせれば、ライフスタイルを重視した多様な働き方を実現できる可能性もあります。

必要な情報を正確にキャッチできる

英語で情報収集ができるようになると、仕事で必要な情報をいち早く正確にキャッチできるようになります。

仕事で成果を上げたりキャリアアップしたりするためには、必要な情報を集め、それを活かすことも重要です。英語が使いこなせれば、英語で公開されている情報も難なく理解できますから、刻一刻と変化する時代にも柔軟に対応できるようになるでしょう。

人脈が広がる

英語を使いこなせられるようになれば、一気に出会う人の数が増え、人脈も広がります。

先ほどご紹介した通り、英語は全世界で約14.52億人が使っている言語です。一方日本語を使っているのは、約1.5億人しかいないと言われています。単純に数字だけ見ても、日本語だけを話す人と英語も話せる人がコミュニケーションを取れる人の人数には圧倒的な差があります。

ビジネスシーンはもちろん、プライベートでも人脈を広げることができるので、公私ともに充実していくでしょう。

多様性を理解できるようになる

近年、多様性という言葉を耳にする機会が増えてきました。しかし、島国である日本では、異なる価値観や文化の人と交流する機会が少ないため、本当の意味で多様性を理解するのは難しいかもしれません。

英語を話せるようになると、異なる国で生まれ育った人と交流できるようになるので、価値観や文化の違いを身をもって体験できるようになります。

多様性はビジネスの成功においても非常に重要です。異なる価値観や文化に理解を示し、尊重することで、海外の取引先とも信頼関係が築きやすくなります。

目標を立てよう！社会人に必要な英語力とは？

実際にどの程度の英語力があれば、英語を使いこなせる人材として評価されるのでしょうか。

社会人に必要な英語力といっても、どのキャリアやポジションを目指すのかによって、必要な英語力は異なりますが、一般的に社会人が身につけたい英語力についてご紹介します。

英語の4技能

英語の4技能とは、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングのことです。

会話でコミュニケーションを取る際はリスニングとスピーキングのスキルが必要です。最初は複雑なやりとりが難しいとしても、日常会話レベルで相手の話す内容を理解し、受け答えができる力が求められます。また、同時に積極的に英語を話す姿勢も身につける必要があるでしょう。

ビジネス文書を理解したりメールでやりとりしたりするときはリーディングとライティングのスキルも求められます。ビジネス文書やメールには、専門用語なども多く出てきますから、業務で求められる単語の知識を増やし、英語の基礎文法を理解することが大切です。

どのような場面で英語を使うことになるとしても、英語の4技能はバランスよく身につけておく必要があります。

TOEICなら600点以上が一つの目安

日本の就職・転職において、英語力を図る指標とされているのがTOEICです。

就職・転職の応募要件や昇進・昇給の要件として、「TOEIC◯◯◯点以上」と示している企業も少なくありません。TOEICで高いスコアを取得していれば、日本での就職・転職・昇進・昇給で有利になる可能性が高いです。

一概には言えませんが、一般的に履歴書に書けるTOEICスコアは600点以上と言われています。TOEICを運営している一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が実施した「英語活用実態調査」によると、新卒採用で企業が要件・参考とするスコアは545点、中途採用では620点でした。

2019年度にTOEIC公開テストを受けた全受験者の平均点は588点となっており、600点を取得すれば、平均よりも少し高い英語力があることの証明になります。これから英語を学ぶなら、まずTOEIC600点以上の取得を目標にしてみるといいでしょう。

大人が英語学習をしなおすときのポイント

大人が英語学習をし直すときは、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

限られた時間で効率よく英語力を高めるために、これからご紹介する4つのポイントを押さえておきましょう。

明確な目標を設定する

英語の学び直しを始めた当初はモチベーションが高かったとしても、明確な目標がないと、次第にモチベーションが下がってしまいます。

例えば、「英語でやりとりできるようになりたい」というような曖昧な目標は、挫折してしまう可能性が高いです。英語学習を継続して、社会人として必要な英語スキルを身につけるために、具体的な目標を設定しましょう。

ただ、具体的な目標だったとしても、いきなりハードルの高い目標を立ててしまうと、挫折しやすくなってしまいます。例えば、現在TOEICで500点を取得している方が800点を目標とする場合、「半年後に600点を目指す」など、短期的な目標も立てるようにしましょう。

基礎からしっかり身につける

英語の学び直しをする際は、基礎からしっかり身につけるようにしましょう。

「実践で使える英語を身につけたい」と思っている方のなかには、最初から高度な内容に手をつけてしまう方もいます。

しかし、英語で会話したり文章でやりとりしたりするには、まず基礎英語力が必要です。中学英語に戻って、基礎文法や語彙を学びましょう。

日常会話の8割程度は中学英語で対応できると言われています。まずは基礎をしっかり理解することが、社会人として求められる英語スキルを身につける第一歩です。

仕事で必要な英語を学ぶ

いくら社会人に英語スキルが必要といっても、実際の仕事に直結しない英語を学び続けようとしてもなかなか続きません。

基礎力を固めたら、その後は仕事で必要な英語を中心に学びましょう。例えば、単語を学ぶなら、業界に関係する単語や業務に関係する単語を学ぶのがおすすめです。

実際に使う機会がある英語を学ぶことで、英語を学ぶ意義が見出しやすくなります。また、自分の成長も感じやすくなるため、モチベーションも維持しやすいでしょう。

隙間時間を有効活用する

英語力を高めるには、できるだけたくさんの英語に触れる必要があります。しかし忙しい社会人は、まとまった学習時間を確保するのが難しいかもしれません。

就活中の人も、英語学習だけに時間を注ぐことはできないでしょう。そこでおすすめしたいのが、隙間時間を使った英語学習です。

通勤・通学時間や休憩時間などを有効に使えば、時間を無駄にすることなく、効率的に英語が学べます。英語学習アプリをダウンロードし、いつでもスマホで学習できるようにしておくのもおすすめです。

まとめ

本記事では社会人に英語スキルが必要な理由や英語を学ぶメリット、社会人に求められる英語力の目安などをご紹介しました。

企業の海外進出が進み、ビジネスチャンスも広がっている今、英語を身につけておけば、さまざまなメリットを得られます。

自分の思い描くキャリアを構築し、成功するためにも、英語はぜひ身につけておきたいスキルです。英語を学ぶうえでの明確な目標を定め、基礎からしっかり学び直して、英語力を高めていきましょう。

英語スキルを高め、日本での就職や転職、昇進、昇給を有利にしたいなら、TOEIC学習に取り組むのも一つの方法です。

数値を用いた目標設定ができるので、明確な目標を持って英語学習に取り組めます。まずは平均以上の英語力があると証明できる600点以上を目標として、学習を始めてみてはいかがでしょうか。