こんにちは。TOEIC満点講師の上田哲也です。
TOEICは、リスニング45分、リーディング75分、全体で2時間の長丁場です。そんなTOEICの試験中ずっと集中力を維持することができず、思うようなスコアが取れないと悩む方はたくさんいらっしゃいます。
私自身も初めてTOEICを受けた時は、あまりに集中力が持たずに試験中に寝てしまい、悲惨な点数を取った経験があります……。
ということで今回は、TOEICで集中力が続かない原因を明らかにした上で、集中力を上げるための具体的な対策を見ていきます。
TOEICで集中力が持たずに困っている方に、すぐ実践していただける内容になっておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
上田 哲也
バンクーバー留学、鉄鋼商社勤務を経て、現在は英語講師として企業研修などを担当。著書に『時短省力 私の英語勉強法』がある。TOEIC990点 / 英検1級 / IELTS8.0 / 国連英検特A級
この記事を監修した人
セレン
留学経験、海外経験ゼロから31歳で英語学習を独学で開始しTOEIC LR満点、TOEICスピーキング満点、英検1級を取得。日本最大手IT企業にてTOEIC研修&英語学習カウンセリングを6年間担当。英語事業コンサルティング、高校生英語指導も行う。「英語のあたらしい読みかた」著者。
TOEIC試験で集中力が続かない理由はズバリこれ!
TOEICに集中できない原因はいくつかありますが、その中でも特に代表的なものをご紹介していきます。
そもそも試験慣れしていない
まず一つ目に考えられるのは、試験慣れしていないということです。
特にTOEICのリーディングは、試験に慣れていないと、まるで長文セクションが延々と続くような感覚になって、集中力を失ってしまいがちです。(私自身、何度それにやる気を挫かれたかわかりません……)
ですので、まずは公式問題集などに取り組んで、試験慣れするところからスタートしましょう。そうやって、試験の形式と問題数、それぞれにかかる時間を把握することがポイントです。
制限時間を気にせずに、全ての問題にじっくり取り組むことも大事ですが、テスト本番と同様に、2時間しっかり時間を測って問題を解くことも忘れないようにしましょう。
「この試験は一体いつまで続くんだ……」と疲弊してしまうと集中力は持ちませんが、「このパートはあと◯問だな」とゴールを意識できていれば、最後まで全力で駆け抜けられるはずです。
英語の理解力が足りていない
英語の理解力も集中力に大きく影響します。
例えば次のような場合、AさんとBさん、どちらが集中力を維持しやすいでしょうか?
Aさん「TOEICを受けても、英語が全く理解できず、まるで暗号を目で追っているような感覚になる。頑張っても正解できる問題がほとんどなく、マークシートを適当に塗りつぶし、試験時間が早く過ぎないかと考えてしまう」
Bさん「TOEICの英文のほとんどを正確に理解し、200問中70〜80%程度の問題はテンポ良く、自信を持って正解できる。試験をゲーム感覚で楽しめているので、2時間があっという間に過ぎてしまう」
考えるまでもなく、Bさんの方がTOEICの試験時間中に集中力を維持できそうですよね。
実はこれ、英語学習を始めた当初の私(Aさん)と、英語学習を初めて半年〜1年後の私(Bさん)を描写したものなのですが、実際に私の体感としても、英語力がつけばつくほどTOEIC試験時間中の集中力はアップします。
きっと皆さんも学生時代、得意な科目の授業はすごく集中できたけれど、苦手な科目の授業は全く集中力が持たなかった……という経験があるのではないでしょうか?TOEICにおける集中力も同様で、英語がわかるようになればなるほど、集中力を持続しやすくなるのです。
「なんだ英語力が無いとダメなのか…」と思われるかもしれませんが、裏を返せば、TOEICは努力すればするほど、力がつけばつくほど面白くなってくるゲームのようなもの。
したがって、だんだんと英語力をつけて、試験そのものを楽しめるようになれば、TOEIC本番での集中力も格段に上がるはずです!
日頃から英語に触れていない
次に、日頃どれだけ英語に触れているか、もとても大事な要素です。
日頃から英語に触れている人は、TOEICの試験当日も集中力をキープできます。ですが、日頃から英語に触れる量が少ない人は、集中力がなかなか持ちません。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、普段1日10分しか英語を読んだり聞いたりしない人が、いざTOEIC本番で2時間もぶっ通しで英語に集中し続けることは難しいでしょう。多くの受験者にとって、TOEICの試験当日の2時間が、最もたくさんの英語を読んだり聞いたりする日になってしまっているのが問題なのです。
ですので、普段からTOEICの試験当日より多く英語に触れるよう心がけてみてはいかがでしょうか。毎日そんなに大量の英語に触れることは難しいかと思いますが、例えば週末だけでも2時間通しで英語に取り組む時間を確保できれば、TOEIC本番での集中力もグッと上がるはずです。
TOEIC試験中に集中力を維持する対処法
ここまで、TOEICで集中力を維持できない原因についてお話をしてきましたが、ここからは今日からでもすぐに実践できる試験中のテクニックをお伝えしていきます。
対処法1. わからない問題は飛ばす
TOEICで集中力を高く保つために、わからない問題はどんどん飛ばしてしまいましょう。
TOEICは合計で200問あり、当然その中には今の自分にはレベルが高すぎるものもたくさん含まれています。したがって、集中力をキープするためにも、今の自分に手に負えない問題はどんどん飛ばすのが賢明です。
人間は難しすぎる問題を楽しむことはできません。ですので、難問ばかりにチャレンジし続けていると、必然的に集中力も落ちてしまいます。
一方で、人間は適度な難易度のチャレンジを楽しむ傾向にあります。よって、TOEICにおいても、自分が解けるレベル感の問題に集中して取り組むことで、TOEICの試験自体を楽しめるようになるのです。
具体的には、1分程度考えてもわからない問題は、どんどん飛ばして次に進むというのも手です。これは私自身の経験からも言えますが、1分考えてわからない問題は、5分考えてもわからないものです。そして、わからない問題に足止めされている間に、試験時間はどんどん過ぎてしまいます。
TOEICは限られた試験時間の中で、いかに多くの正解数を叩き出すかが勝負です。そういった意味でも、わからない問題に貴重な時間を費やすわけにはいきません。わからない問題はどんどん飛ばし、自分にとって適切な難易度の問題に取り組むようにしましょう。
そうやって適度なレベル感の問題をテンポ良くこなしていくことで、集中力を保てるだけでなく、結果的にスコアも最大化することができるのです。
対処法2. TOEICの問題をビジュアル化する
TOEICに集中するためには、問題の状況を具体的にイメージ化することが大切です。そうすることで、長い時間TOEICの単調な問題と向き合っていても、集中力を維持することができます。
そして、できれば自分自身が当事者になったつもりで取り組んでみてください。例えば、ビジネスメールの問題であれば、それが自分宛てに送られたもので、自分自身が対応しなければいけないという風にイメージします。
きっと皆さんも、普段は英語に苦手意識があったとしても、仕事で自分宛てのメールが英語で来たら、全力で内容を理解しようとすると思います。まさにそれと同じことを、TOEICの試験で再現するイメージです。
そうすることで、長丁場のTOEICであっても、集中力を高く維持することができます。
根本的な集中力を高め鍛える方法
さて、ここまでTOEICの試験中に実践できる集中力を高めるテクニックをご紹介してきました。
ただ「試験に慣れる」「英語の理解力を高める」「日頃から英語に触れる」といった内容を実践するためには、日々の学習から集中力を高く保つことがポイントになります。ここからは、普段の英語学習でどうやって高い集中力を維持できるかという視点から、具体的なテクニックをご紹介していきます。
シングルタスクを徹底する
集中力を高めるために大事なことは「シングルタスク」を徹底することです。つまり「やることを一つに絞る」ということです。
みなさんは、英語の学習をしながらも、スマホでLINEを確認したり、Twitterの通知に意識を奪われたりしていないでしょうか。
マルチタスクを器用にこなしているように見える人でも、実際には複数のタスクを切り替えているだけで、その切り替えごとに膨大な集中力が奪われると言われています。
したがって、自分が持っている集中力を出し切るためにも、「英語の勉強をする」と決めたら、シングルタスクに集中することを徹底しましょう。
私自身、英語の学習をするときは、必要なテキストなど以外は全てしまうようにしています。またPCを使う場合も、必要ないウィンドウは全て閉じて、ネット回線も可能であればブロックするようにしています。
このように、自分が勉強するものだけ揃えて、集中力を奪う可能性のあるものは全て遮断することで、やるべきことに意識を向けられるのです。
しっかり休憩する
英語学習で集中力をキープするためには、休憩を取ることも重要です。
私は2〜3時間程度のまとまった時間で英語の勉強をすることが多いのですが、基本はシングルタスクを徹底しつつも、しっかり休憩を取ることを意識しています。
具体的な手順は次の通りです。
※具体的には、英文を目で追っているだけの状態、リスニングが右から左に流れてしまうようであれば、すぐに休憩をした方が良いです。
このような感じです。休憩するときは、少し目を瞑って横になっても、コーヒーを淹れても構いません。場所を変えたり、外の空気を吸うのもリフレッシュできるのでオススメです。個人的には、近くの公園や川沿いのベンチで勉強したりもします。また、どうしても眠い時は、イヤホンで英語を聴きながら、歩きながらシャドーイングをすることもあります。
これらの工夫を積み重ねることで、2〜3時間くらいであれば、集中力をほぼ100%に保ったまま勉強し続けることができるはずです。
食べれば集中力UP?!TOEIC試験当日におすすめの食べ物・飲み物
最後に、試験当日に食べたり飲んだりすることで、集中力アップが期待できる食事をご紹介していきます。
もちろんTOEICのスコアを最も左右するのは日頃の英語学習ではありますが、試験当日にその力を最大限発揮するコンディションを整えるのも同じくらい大事なことです。
脳の栄養「ブドウ糖」を補給する
TOEIC試験当日は、脳の栄養になる「ブドウ糖」をしっかり補給しておきましょう。
「ブドウ糖」を補給する食材として有名なものにバナナやラムネなどがあり、個人的にも、仕事や勉強に集中したい日の朝にバナナを食べることがよくあります。
よって、バランスの良い食事を基本にしながら、試験当日はしっかりとブドウ糖も補給しておくのがオススメです。
TOEIC当日はカフェインで集中力アップ
TOEIC試験当日は、コーヒーやエナジードリンクを飲んでカフェインを摂取し、集中力を高めておきましょう。
私自身も、TOEICを受ける時は必ずカフェでコーヒーを飲んだり、エナジードリンクを最寄りのコンビニで購入してから、受験会場に向かいます。
試験当日の流れをリハーサルしてみる
個人的には、大事な試験が近づいてきたら、前の週くらいからTOEIC試験当日のリハーサルをするようにしています。
「リハーサルって何?」と思われるかもしれませんが、つまりは「試験当日の食事」をその日と同じ時間に食べてみて、コンディションを確認するのです。
特に先ほどお話したように、集中力を高めるためにコーヒーを飲みすぎて、TOEICの試験中にトイレに行きたくなって集中できなくなってしまったら本末転倒です。(個人的にこのような経験は数えきれないほどあります……)
ですので、例えば試験当日にスタバでコーヒーを飲むつもりであれば、事前に同じ時間にコーヒーを飲んで、実際の試験時間と同じタイミングで模試を2時間解くなどしてリハーサルすることをオススメします。
そうすることで、「すごく目が冴えて調子が良かった」とか「リーディング中にトイレに行きたくなって集中できなかった」というような、リアルなフィードバックが得られるはずです。
事前のリハーサルを通して、試験当日のパフォーマンスが最大限発揮できるか確認しておくのが良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、TOEICの試験中に集中力が続かない理由と、それらへの対処法について解説してきました。
日々の学習や試験準備において意識するべきは以下のポイントです。
- 公式問題集などで試験慣れしつつ、日頃からTOEICの本番以上の英語量に触れる→確実に英語力を上げると同時に集中力が養われる。
- 日頃の学習においては、シングルタスクを徹底し、適度な休憩をとる→集中力を最大限高める。
またTOEIC試験本番では、次のことを意識しましょう。
- 試験当日はブドウ糖とカフェインを上手く活用して、集中力を最大化する。
- 試験中はわからない問題は飛ばして、できる問題だけに集中する。
ぜひこれらのテクニックを参考に、TOEICで自己ベストのスコアを更新してください!