TOEIC800点は転職に有利？社会人が取得するメリットまとめ

「転職を成功させるためにTOEICを学習している」という方はとても多いです。

しかし、何点でも転職に有利になるわけではなく、一定以上のスコアを獲得して初めて有利に働きます。では、TOEIC800点を取得した場合、転職で有利なのでしょうか？

本記事ではTOEIC930点を取得し、日系企業の海外営業や外資系企業への転職経験がある私が、TOEICで800点以上を取得するメリットや有利になる企業・職種、TOEIC800点を転職に活用するコツについて解説します。

TOEICで800点を取得するのは簡単なことではありませんが、だからこそ取得すれば転職する際の武器になります。

現在転職を検討している方や転職のためにTOEIC学習をしている方は、ぜひ読んでみてください。

TOEIC800点があれば、転職時に有利になる？

TOEICスコアを採用時の参考にしている企業が多い今、TOEIC800点を取得していることは転職時に有利に働きます。

どんな企業のどのポジションでも確実に有利になるわけではありませんが、求める人材の条件としてTOEICスコアの目安を800点以上に設定している企業は多いです。

国内でTOEICを運営する「一般財団法人国際コミュニケーション協会」が発表した、TOEIC第287回公開テストの詳細によると、795点以上を獲得した人は全受験者のうち6.37％、845点以上を獲得した人は4.66％、895点以上を獲得した人は4.31％でした。

TOEIC800点以上を獲得している人は、TOEIC全受験者の上位約15％程度の高い英語力の持ち主とみなされます。そのため、同じポジションに応募した同程度のスキルの2人がいるのであれば、間違いなく英語力が高い方が採用される確率は高いです。

参考：TOEIC800点ってすごいの？レベル・難易度、必要な勉強時間を解説

もちろん転職時は英語力以外の部分も含めて判断されますので、TOEIC800点を取得しているからといって必ず転職が成功するわけではありません。

しかしグローバル化が進んでいる今、企業は英語を使いこなせる人材を必要としています。TOEIC800点を取得して英語力をアピールできれば、転職活動での強力な武器となるでしょう。

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– 社会人転職に有利！英語資格・試験おすすめ5選

転職におけるTOEIC800点のメリット4選

転職時にTOEIC800点を取得しておくと、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に4つメリットをご紹介します。

メリット1. 書類選考に通る確率が上がる

人気のある企業になると、一つのポジションに多数の応募があります。転職希望者は書類選考で最初のふるいにかけられますが、TOEIC800点を取得していれば、書類選考を通過する確率が上がります。

TOEIC800点を取得している人は、TOEIC全受験者の上位約15％に入る英語力の持ち主ですから、企業としては「会ってみたい人材」「期待できる人材」です。

また、企業側もTOEICで800点以上を取得するには相応の努力が必要なことを理解しています。800点以上を取得していれば英語力がある人物としての評価はもちろん、継続して努力できる人物としても評価されるでしょう。

書類選考はあくまでもスタート地点ですが、スタート地点に立てないことには転職の成功はありません。

TOEIC800点以上を取得していれば、高確率で書類選考を通過し、転職のスタート地点に立てます。

メリット2. 英語力があることの証明になる

「TOEICのスコアよりも英語を実際に話せる方が重要だ」と考える方もいるかもしれません。確かに実際に英語を話せることは重要です。

しかし「英語が堪能」「ビジネス英語ができる」と履歴書に書いても、企業側はそれを判断する術がありません。

TOEICはリーディングとリスニングのみの試験ですから（TOEIC SWテストは除く）、TOEIC800点以上を取得していると履歴書に書いても、それが「英語を話せる」という証明にはなりません。

ただ、業務で必要となる「読む」「聞く」の英語力が高いことは示せます。「英語が堪能」とだけ履歴書に書くよりも、説得力のあるアピールポイントとなるのです。

メリット3. 高待遇のポジションを目指せる

TOEIC◯◯◯点以上という基準を設定している企業は非常に多いです。高待遇のポジションになると、TOEIC800点を基準としていることが多いため、800点以上を取得していれば今よりも年収がアップする求人にも挑戦できます。

また、転職の場合は新卒と違って一律に待遇が決まるわけではありません。スキルや経験で待遇の交渉ができる転職活動では、TOEIC800点が待遇交渉の材料となり、収入アップにつながる可能性があります。

高待遇のポジションの求人は人気が高い傾向にありますが、TOEIC800点という英語力の高さを示すことで他の候補者との明確な差をアピールでき、採用の狭き門を突破できる可能性も高まるでしょう。

メリット4. 活躍の場が広がる

採用基準となるTOEICスコアを何点に設定しているかは、企業や部署によって異なりますが、大手企業・人気の企業は高いスコアを設定していることが多いです。

800点以上を取得していると応募できる企業の選択肢が増えるので、今までは挑戦できなかったポジションにも挑戦できます。

TOEIC800点以上を求めているような企業・職種のなかには、海外出張の機会があったり、駐在を派遣していたりという企業・職種もあります。

また社内公用語が英語で、グローバルな雰囲気の企業も多いです。TOEIC800点以上を取得していれば、国際的な環境でビジネスパーソンとして活躍できる可能性も高くなるでしょう。

TOEICスコアがあると転職時に有利な企業

TOEICスコアがあると転職時に有利になる代表的な企業を、国内外資系と日系企業に分けてご紹介します。スコアの目安も紹介しますので、目標スコアを設定するうえでも参考にしてみてください。

特定のTOEICスコアを「必須」としているケースと、同等の英語力を求めているケースがあります。

国内外資系企業

まずは国内にある外資系企業のスコア目安から紹介します。外資系企業は日系企業よりも求められるTOEICスコアが高いです。

また英語での面接が行われることがほとんどで、スコアに見合った実践的な英語力があるかどうかが重視されます。

日系企業

大手日系企業のスコア目安を紹介します。多くの日系企業でもTOEICのスコアは採用基準の一つとなっています。

職種にもよりますが、TOEIC800点以上を取得していれば、応募できる企業の選択肢は大きく広がるでしょう。

TOEICスコア	企業名
860点	野村ホールディングス(必須)
800点	大阪ガス、住友不動産、楽天(必須)、コナミデジタルエンタテイメント
730点	ソフトバンク、武田薬品工業、ユニリーバ・ジャパン
700点	NTT東日本、三菱自動車(必須)、 三菱電機、ブリヂストン、ファーストリテイリング
650点	アサヒビール、オリックス、 本田技術研究所(必須)、パナソニック(必須)

TOEIC800点以上のスコアがあると有利な職種・仕事

TOEIC800点以上のスコアがあると、挑戦できる職種や仕事の幅はかなり広いです。なかでも有利になる代表的な職種・仕事を紹介します。

1. 海外営業

外資系企業や商社のどの部門でも、TOEIC800点以上を取得していれば転職に有利に働きます。そのなかでも海外営業は有利に働きやすい職種です。

外国人とコミュニケーションをとり、英語を使って商品やサービスの良さを伝えて売り込んでいく海外営業は、TOEIC800点以上を取得できる高いリスニング力が評価されます。もちろんそれに伴うスピーキング力も必要なので、スコアに見合うスピーキング力も身につけましょう。

今後も高いスコアを目指すことをアピールできれば、海外出張や駐在員としてのポジションを狙っての転職も可能です。

2. 公認会計士

企業の監査やコンサルティング、税務を行う公認会計士のなかでも、外国人担当者とのやりとりが必要になる国際部門は高い英語力が求められる仕事です。

正確に書類の内容を理解することが求められますので、TOEIC点以上を取得している読解力は有利に働く可能性が高いです。

難関資格である公認会計士として活躍するためには、英語力よりも求められる能力が多々ありますが、TOEIC800点以上を取得していれば挑戦できる企業の選択肢が増えるでしょう。

3. コンサルタント

企業の課題解決に向けて問題点を分析し、アドバイスを行うコンサルタント。データや資料から分析を行うため、TOEIC800点以上を取得できるリーディング力の高さは有利に働きます。

海外企業とのやりとりがある企業や海外進出を予定している企業、外資系企業のコンサルタントは、現地パートナーとのやりとりを行う必要があります。企業の外国人スタッフともコミュニケーションが求められるので、TOEIC 800点を取得できるリスニング力も評価されるでしょう。

TOEICスコアに見合うスピーキング力・ライティング力も同時に求められます。

4. バイヤー

世界のマーケットを常にチェックし、人気のある商品やトレンドの商品を仕入れるバイヤーは、英語を使っての交渉がマストとなる仕事です。市場の動向をチェックするためにも、TOEIC800点を取得できる高い読解力が有利に働きます。

バイヤーとして扱う商品は企業によって異なりますが、どんな商品を扱う場合でも、TOEIC800点以上を取得していると転職が有利に働くでしょう。

5. 秘書

外資系企業やグローバル企業の秘書は、海外企業や海外支社とのやりとりを行いながら、スケジュール調整や来客の対応、出張手配、電話・メールの対応を行う必要があります。

Eメールのやりとりが多いので、TOEIC800点を取得できるリーディング力は有利に働きます。また外国人上司の秘書になる場合は、常に英語を使ってのコミュニケーションが必要です。

TOEIC800取得で身につけたリスニング力と、それに見合うスピーキング力が求められます。

20代・30代など、年代別ではTOEIC800は有利になるの？

年代によって転職の際に求められるスキルや経験は異なりますが、どの年代の転職でもTOEIC800点は有利に働くのでしょうか。20代、30代、40〜50代と年代ごとに解説します。

20代の転職

20代の転職はやる気や将来性が重視されることが多いです。

TOEIC800点を取得するために学習を継続できる力や、現時点での高い英語力が将来性の評価へと繋がり、転職で有利に働くでしょう。

TOEIC学習を続けられた継続力をどう仕事に活かすのか、今後英語力をどのように活かしたいのかを具体的に話せるようにしておくことがポイントです。

30代の転職

30代の転職希望者は、スキルをアピールする材料としてTOEICを活用することが多いです。同じポジションに応募している転職希望者も、TOEICスコアを提示している可能性が高くなります。

そのなかで難易度の高いTOEIC800点以上を取得していれば、英語力はもちろん、継続力や忍耐力などもアピールでき他の候補者との差別化が図れるので有利に働くでしょう。

40〜50代の転職

どんな企業への転職でも、40〜50代の転職は即戦力として活躍できる人材が求められます。

外資系企業・グローバル企業への転職は英語を使えることが前提条件なので、TOEIC800点を取得していることで、即戦力になりうる英語力を有していることをアピールできるでしょう。

40〜50代はTOEIC800点の取得率が低いので差がつきますし、待遇の交渉材料としても役立ちます。

未経験の職種・業界でも、TOEIC800点は転職時に有利になるか？

経験やスキルが求められる即戦力としてのポジションであれば、TOEIC800点を取得していても有利に働かない可能性はあります。

ただし、企業が何よりも英語力を求めているのであれば、未経験の職種・業界でもTOEIC800点が有利に働く可能性は高いです。

未経験の職種や業界へ挑戦する場合は、英語力のアピールと同時に、今までの経験をその職種・業界でどのように活かせるかもアピールできるようにしておきましょう。

新卒の就職時でも有利になる？

新卒で就職するにも、TOEIC800点は必ず有利になります。

外資系企業・グローバル企業への就職なら英語力をアピールする材料になりますし、英語を使用しない企業だったとしても、学生の間にTOEIC800点を取得する継続力・時間管理能力・戦略的思考力などがある人物として認められ、面接官に好印象を与えられるのです。

まだ800点に届いていない場合でも700点以上を取得しているのであれば、どのように勉強しているか、これからどれくらいのスコアを目指すのかを伝えることで、将来性のある人材として一定の評価をされる可能性もあります。

TOEICの平均スコアである600点以下の場合は、英語力がないと判断されてしまいますので、履歴書には記載しないほうがいいでしょう。

TOEIC800点を転職時に活用するためのポイントや注意点

TOEIC800点を取得していることは、転職で有利に働きます。

ただ獲得したスコアをアピールするのではなく、ポイントを押さえたアピールをすることが重要です。TOEIC800点を転職時に活用するためのポイント・注意点を解説します。

1. 2年以内に取得したスコアを履歴書に記載する

いくら高スコアを獲得していても、それが2年以上前のスコアであれば転職ではプラスにならない可能性があります。

TOEICに有効期限はありませんが、あまりに昔のスコアを履歴書に書いても、「今の英語力はどうなんだろう？」と思われてしまうかもしれません。

今の英語力をアピールするためにも、TOEIC認定書の再発行期限である2年以内に取得したスコアを履歴書に書くことをおすすめします。履歴書にスコアを書くときは、取得した年月日を記載しておきましょう。

2. 面接でスコアをアピールしない

面接ではあえてTOEICの話題に触れず他のスキルや経験を話したほうが、より多角的に自分自身をアピールでき、面接の内容が充実します。

履歴書にTOEIC800点を取得したことを書いておけば、面接で伝えなくてもすでに企業側はその点に着目しています。

私も経験がありますが、自分からTOEIC について話さなくても面接官が興味を持てばTOEICについて尋ねてくる可能性が高いです。

もしTOEICに関する質問をされた場合は、「900点を超えられるように学習しています」など向上心のある姿勢を見せると好印象につながります。

3. スコアに見合う英語力を身につける

いくらTOEICスコアが800点を超えていても、英語での面接でそれに見合う英語力がなければ求める人材ではないと判断されてしまいます。

また、もし採用されても自分自身が苦労してしまう可能性が高いです。TOEIC以外の英語学習も取り入れ、実践で使えるスピーキングやライティングなどの英語力も同時に身につけておきましょう。

TOEIC800点は転職で有利になる！

本記事ではTOEIC800点が転職に有利に働くかについてご紹介しました。

TOEICのスコアだけで転職が成功するわけではありません。

しかしTOEIC800点を取得していれば、高い英語力を持つ人材とみなされますし、その努力ができる人材と認められるため、転職で有利に働きます。

転職でキャリアアップをしたいと考えている方は、挑戦したいポジションに必要な専門知識・スキルを磨くと同時にTOEIC800点取得を目指し、グローバルに活躍できる人材であることをアピールしましょう。