皆さんこんにちは!TOEIC L&Rテスト満点、英語コーチの星名亜紀です。
これまで私は、10代の専門学生から50代の方までTOEICの指導を行ってきましたが、学習プランや目標設定を見直し、どのようにモチベーションをキープできるかなど、英語コーチとしての側面も大切にしながら活動してまいりました。
その中で多くの方からいただくのが「モチベーションがキープできない」というお悩みです。
TOEICのスコアを上げることで、自身の夢や目標のキャリアにグーンと近づくことを頭では理解できていても、モチベーションをキープして学習を継続するのはなかなか難しいのが現実です。
今回は無理せず学習を続けるための学習プランの立て方や、大切なマインドセットについてシェアしたいと思います。目標達成のための学習継続の秘訣を知りたい!という方はぜひ今回の記事を読んでみてくださいね。
この記事を書いた人
星名 亜紀
大学卒業後、客室乗務員として全日本空輸株式会社入社。その後外資系企業を経て、現在は英語講師として専門学校のエアライン科で指導をしたり、英語コーチとして活動。4カ国での留学経験あり(アメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス)。TOEIC L&Rテスト990点。英検1級。
この記事を監修した人
セレン
留学経験、海外経験ゼロから31歳で英語学習を独学で開始しTOEIC LR満点、TOEICスピーキング満点、英検1級を取得。日本最大手IT企業にてTOEIC研修&英語学習カウンセリングを6年間担当。英語事業コンサルティング、高校生英語指導も行う。「英語のあたらしい読みかた」著者。
そもそもやる気が落ちるのは仕方がない?
皆さんはTOEICの目標スコアがあるのに思うように学習を継続することができず、なんで私はいつも途中でダメになってしまうんだろう……と挫折や劣等感を感じたことはありませんか?
「今度こそ頑張ろう!」と思っても、結局続けられず自己嫌悪に陥ってしまった経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは誰にでも起こること。私自身も英語学習の過程で挫折した経験が何度もあります。気合を入れて買った単語帳も、数ページやって継続できず、本棚に眠らせてしまった経験ももちろんあります。
仕事や家庭やプライベートで大忙しの皆さんにとって、英語学習の時間を毎日キープすることは容易ではありません。しかし、ちょっとした工夫をして、マインドセットを整えることで今よりずっと学習へのモチベーションを高め、キープすることができるのです。
やる気やモチベーションが下がり勉強を継続できない要因
さて、皆さんはご自身がモチベーションをキープできない原因を把握していますか?学習を継続できるようになるには、まずその阻害要因となるものを把握しておくことが大切です。
努力と成果が見合わないと感じるから
多くの方のやる気やモチベーションが下がる原因の一つは、ズバリ頑張っているのにスコアが上がらないから!!
目標スコアがあるのになかなかスコアが上がらず、
SNSで検索してみると「自己ベスト達成しました!」の投稿が目に入ってくる……
自分だってプライベートの時間を犠牲にして頑張っているのに、スコアが上がらないどころか下がってしまう……
となれば心が折れてしまうのも無理ありません。
周りの学習者からおすすめされたテキストを色々買ってみたり、シャドーイングなどの学習方法を試したものの、何をやっても英語力が伸びている実感が湧かず、もう何をやったら良いかわからなくなってしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
解決できない疑問点や不明点が溜まっていくから
疑問点やお悩みがあった時にすぐに誰かに相談できず、モヤモヤした気持ちのまま英語学習を続けている….. これもモチベーションが下がる大きな原因の一つです。
皆さんが学生の時は、同じ授業を一緒に受けている友人や先生など、身近に質問ができる人がたくさんいたかもしれません。しかし社会人になり、TOEIC学習に本気で取り組んでいる仲間を作るのは至難の業。
TOEICテストの運営をしているIIBCによると、年間TOEIC L&Rテストを受ける受験者数は約250万人(2020年は新型コロナウイルスの影響で150万人へと受験者数が減っています)。
この数を聞くと、受験者数は多く感じられますが、「真剣に取り組んでいて、気軽にわからない問題について相談できる」という学習仲間が周りにいる方はかなり少ないのでは。
とりあえず参考書やインターネットで調べてみたけど、理解できたのかはいまいち曖昧なまま。そのせいで次に同じような問題に遭遇した時にも間違えてしまう、結局それがモチベーション低下に繋がっているという方も多いのではないでしょうか。
TOEIC学習を無理せず継続できるようになる5つの対処法
ここからは私が実際に取り入れている学習継続のコツを5つご紹介していきます。
1. 目標は細分化し、小さな成功体験を積み重ねよう
皆さんは目標を立てるときにどのように目標を立てていますか?例えば、現在のスコアが600点だとすると、次は730点をとる!のように大きな目標しか立ててない方も多いのではないでしょうか。
独学の方の場合、100点以上のスコアアップをするには、多くの方が1年以上を費やしています。しかし、1年も目標達成ができないままではそのうちモチベーションが消えてしまうでしょう。
継続学習にとても効果的なのは、できるだけ多くの成功体験をできるような目標設定をし、日々達成感を感じられるように工夫すること。
そこで、目標を細分化し、例えば、「リスニングを300点から320点にあげる」でも良いですし、目標はスコアだけでなくても良いので、
「リーディングパートのPart5は12分で解けるようになる」
「まずは1週間毎日シャドーイングを続けてみる」
「単語学習を毎日続け、この単語帳の○ページまでを今月中に3回まわす」
など、学習の目標でも構わないので、自分でもできた!という達成感を感じられる目標を立ててみましょう。
小さな目標であればその度に「努力が実っている!」と実感が沸き、やる気の向上に繋がります。結果、学習の継続ができるようになるでしょう。
2. やるべきことを視覚化してみよう
目標を細分化してみたら、ぜひそれを書き出してその日にやるべきことを視覚化してみましょう。私は「ハビットトラッカー」というツールを使用しています。
ちなみに、ハビットトラッカーは、habit(習慣)tracker(追跡者)という意味で、自分の習慣を手帳などに書き留めるチェックリストです。
私のハビットトラッカーのポイント
- 時間がかかりすぎる項目は作らない(Part5、Part7の項目はできれば本番の問題数取り組みますが、難しい日は数問だけでもやれたらOK!)
- TOEIC対策だけでなく、洋書を読んだりオンライン英会話をしたり英語に触れる時間を毎日キープ
- 趣味のヨガも英語で(Boho Beautiful はおすすめです!)
- 半月やってみて無理そうであれば15日以降項目を再調整
私が実際に作っている項目は
- 公式問題集のシャドーイング
- 単語学習(午前中10分)
- 単語学習(午後10分)
- Part5問題を解く
- Part7の英文を精読
などで、TOEIC学習以外にもCNN10を聞いたり、TEDトークを聞く、洋書を読むなどの項目を含めると約10個の項目を手帳に書き出して毎日記録をつけています。
やるべきことが視覚化されると、少し時間ができた時に「今日はこの項目をやっていないから頑張って取り組もう」という気持ちになれるのでおすすめの方法です!
3. スキマ時間を活用できるような学習プランを立てよう
https://www.shutterstock.com/image-photo/coffee-cup-notebook-do-list-on-384639760
学習プランを作る際にぜひ意識してほしいことは、スキマ時間を上手く活用できるようなプランを作ることです。
先ほどご紹介したハビットトラッカーの項目をご覧いただいてわかるように、私は学習プランの項目を短時間で終わる小タスクにしています。学習プランを立てる時に大切なことは「大きな目標を作らないこと」なのです。
例えば、「模試を200問解く」という計画を立てたとすると、そのチェックリストにOKを作るためには2時間も費やさなくてはなりません。結果、ちょっとしたスキマ時間でやろう!という気分にもなれなくなってしまいます。
逆に、単語学習10分であれば、通勤時間やランチタイムの余った時間などちょっとしたスキマ時間でその項目をクリアすることができます。
忙しい皆さんにとって、スキマ時間の活用はとても大切な学習継続の秘訣。小さな項目であっても、毎日コツコツ取り組み、積み重ねていくことができれば「小さな成功体験」にも結びつけることができるでしょう。
4. TOEIC学習の優先順位をあげよう
ここで皆さんの毎日の生活を振り返ってみて、ご自身のTOEICの優先順位がどのくらいにあるか確認してみましょう。そして、「絶対目標スコアを達成するぞ!」と思っているのであれば、覚悟を決めてTOEIC学習の優先順位を皆さんの生活の中におけるTOP3に滑り込ませておきましょう!
どんな人でも一日24時間しかありません。そしてそのうちの6〜8時間は睡眠時間です。他にもやるべきこと、やりたいことがたくさんある中で、TOEICにも毎日時間を割くのが大変なのはわかります。
友人とのディナーやドラマや映画鑑賞など…… 楽しいお誘いがあったときに優先順位をつけて判断できていますか?時にはご褒美も必要だと思いますが、絶対に目標スコアを達成したいのであれば、それまでの期間(一生ではなくそれまでの期間限定で良いのです!)まずはTOEIC学習を優先して生活してみましょう。
私にとって英語学習とヨガ・ピラティスはいつもTOP3に入る項目なので、これが済んでいない時は睡眠時間を削ってでも、必ず取り組むようにしています。
5. 実力が目に見えてくるまでには「時差」があることを理解する
最後に、モチベーションキープのために皆さんにお伝えしたいのが、結果が見えるまでには時間がかかるということです。これはダイエットと同じです!
ダイエットしようと思って食事に気を使ったり、ジムで運動を始めても、数週間では体重にも見た目にもなかなか変化が現れません。もし数日で何キロも落ちるようなダイエットであれば、逆に体にかなり負担をかけた危険なダイエットで、それを継続するのは難しいのは皆さんもお分かりかと思います。
TOEIC学習も、シャドーイングの成果を感じられるようになるのは数ヶ月後ですし、単語は100個覚えただけでは何も変化を感じず、500個、1000語と徐々にその数を増やしていくことで、覚えた単語と出会う頻度が増え、その効果を実感できるようになるものです。
変化が見えないとしても必ず実力はついています。ご自身を信じて、数ヶ月後にその結果が見えるようになることを楽しみに、継続していきましょう。
どうしても学習の継続ができない、勉強が辛いと感じたら……
それでも、TOEIC学習が辛い…… ということもあるかもしれません。そのような時には自分を無理に追い詰めず、楽しむ要素を取り入れ、上手に気分転換をしながら学習に取り組んでいきましょう。
SNSで仲間を見つけよう
SNS、特にInstagramやTwitterにはTOEIC学習仲間がたくさんいます。
私も目標に向かって学習をしていた時には自分の学習レポート的なものをInstagramに投稿していたのですが、同じように頑張る仲間の姿を見て、かなり刺激を受け、辛い時でも気持ちを奮い立たせて学習に取り組むことができました。
また私が目標達成した時は、ものすごい量のイイネやコメントをいただき、顔も知らない相手なのにこうして仲間となれたことが次の目標に対しての励みにもなりました。ハッシュタグで #TOEIC学習 #社会人の学習垢 などで検索してみてください。
SNSをやっているとつい予想外の時間を費やしてしまいますので、時間の管理だけはしっかりとしながら賢くモチベーションキープに活用していきましょう。
ゼロの日をなくすことを目標にしてみよう
どうしてもTOEICの学習が辛くなってしまった時は、たくさんの学習時間をキープすることが難しくても、まずは「ゼロの日をなくす」ということを意識してみましょう。
単語10分であってもシャドーイング5回であっても、文法問題30問であっても構いません。なんでも良いのでできることに取り組み、そんなご自身を「よく頑張った!」と褒めてあげましょう。
また、洋画やTEDトークなどなんでも良いので英語に触れる環境をキープするのもおすすめです。TOEICのテキストでなくても、英語に触れることでリスニングのトレーニングにもなりますし、ご自身が少しでも楽しみながら英語に触れられる環境作りは大切です。
やる気を維持できないのは当たり前!学習プランとマインドセットを見直そう
さて、今回の記事では、学習継続の秘訣をお伝えしました。
モチベーションがキープできないのはあなたがTOEIC学習に向いていないからではなく、誰にでも当たり前に起こること。学習プランを見直し、マインドセットをしたらきっと学習継続がしやすくなるのではないかなと思います。
最後にもう一度、モチベーションが下がってきたと感じたらぜひ見直していただきたいポイントはこちら。
- 目標の細分化をし、小さな成功体験を積み重ねる
- やるべきことを視覚化する
- スキマ時間を活用しやすい学習プランを作る
- TOEICの優先順位をあげてみる
- 結果が見えるまでに「時差」があることを理解する
毎日継続することは最初はものすごいエネルギーが要りますが、そのうちそれが習慣となると続けることへの苦痛もどんどん和らいできます。
私にとってシャドーイングの練習は、歯磨きをすることと同じくらい、毎日やらないと気持ちが悪いものになりました。最初は大変ですが、「継続は力なり」の言葉の通り、必ず皆さんの力になります。お互い楽しみながらこれからもTOEIC学習に取り組んでいきましょう。
今回の記事が皆さんのモチベーションキープに少しでもお役に立てたら嬉しく思います。
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