こんにちは。TOEIC満点講師の上田哲也です。
TOEIC800点を目指す人にとって、単語力の強化は必ず突破しなければいけない壁です。一方で、あまりに覚える単語の量が多く、何から手をつけていいか分からなくなってしまうものです。
2021年に実施されたTOEIC公開テストデータによると、795点以上を取得した受験者の割合はわずか17.3%でした。このことからも、TOEIC800点がいかに狭き門であるかが伺えます。
そしてこのレベルに達するには、難易度の高い問題にも正解する必要がありますので、ハイレベルな単語まで正確に理解する力が必須になります。
しかし、漠然と「単語をたくさん覚えなければ……」と思っているだけでは、モチベーションも上がりませんし、前にも進めませんよね。
この記事では、TOEIC800点を取るために、どのような単語をいくつ覚える必要があるかを明確にし、またどの単語帳をどう使って覚えるのが最も効率的かについてもお伝えします。
今日からすぐに実践できる具体的なテクニックをご紹介していきますので、TOEIC800点突破のために勉強をする皆さんのご参考になれば嬉しいです。
この記事を書いた人
上田 哲也
バンクーバー留学、鉄鋼商社勤務を経て、現在は英語講師として企業研修などを担当。著書に『時短省力 私の英語勉強法』がある。TOEIC990点 / 英検1級 / IELTS8.0 / 国連英検特A級
この記事を監修した人
セレン
留学経験、海外経験ゼロから31歳で英語学習を独学で開始しTOEIC LR満点、TOEICスピーキング満点、英検1級を取得。日本最大手IT企業にてTOEIC研修&英語学習カウンセリングを6年間担当。英語事業コンサルティング、高校生英語指導も行う。「英語のあたらしい読みかた」著者。
TOEIC800点で求められる単語数や単語レベルは?
まず、TOEIC800点を取得するために必要な単語数、またそのレベル感についてお話します。
TOEIC800点に必要な単語数
TOEIC800点に必要な単語数は、一般的に6,800〜7,200語程度と言われています。これは多くのビジネスシーンにおいて円滑に業務が進められる単語力です。
英文メールは翻訳を使わずとも自力でスムーズに読めるようになり、ミーティングや交渉の場ではより知的な表現でメッセージを伝えることができます。
TOEIC800点の語彙力は、英検準1級レベルと同じ
TOEIC800点に求められる単語力は、高校の指導要領で定められている単語力を大幅に上回るものであり、一般的には英検準1級程度の単語数に相当すると言われています。
このことからも、多くのTOEIC学習者にとって800点を超えるためには、しっかりと腰を据えた単語力強化が必要であることが分かります。
他のスコアで求められる単語数との比較
TOEIC700点に求められる単語数は5,500程度です。
ですので、現在700点を保有している場合は、加えておよそ1,300〜1,700単語を覚えれば目標達成ということになります。少し頑張って1日10単語、1ヶ月に300単語のペースで学習を進めれば、半年もあれば十分達成可能なレベルです。
TOEICは総合的な英語力が求められる試験であり、必要とされている単語数もあくまで目安ですので、上記の単語数を覚えたら必ずTOEIC800点が取れるというものではありません。
そのためTOEIC800レベルを目指されるとしても、少しでも試験日まで余裕があれば、単語帳の後半に掲載されているような上級単語も積極的に覚えられれば理想的です。
TOEIC800点を狙うなら頻出の単語一覧 【厳選50個】
続いて、TOEIC800点を狙うために覚えておきたい単語・熟語を、名詞、形容詞、動詞、副詞、熟語・フレーズごとにそれぞれ10個ずつ、厳選し合計50個ご紹介していきます。
なお、こちらの単語リストにつきましては、複数の書籍や私自身のTOEIC受験経験などをベースに、総合的に比較検討し選定しております。
頻出の英単語 【名詞】
- expenditure(出費)
- fabric(生地)
- ingredient(材料)
- intermission(休憩時間)
- lumber(木材)
- ornament(装飾)
- pavement(舗装道路)
- pension(年金)
- shortage(不足)
- successor(後継者)
頻出の英単語 【形容詞】
- certified(資格のある)
- fiscal(会計の)
- immense(莫大な)
- occasional(時折の)
- ongoing(進行している)
- picturesque(絵のように美しい)
- promising(将来有望な)
- skilled(熟練した)
- sophisticated(洗練された)
- state-of-the-art(最新の)
頻出の英単語 【動詞】
- applaud(拍手する)
- compile(<資料などを> 編集する)
- enroll(入学する)
- exceed(超える)
- illustrate(説明する)
- portray(描く)
- reimburse(払い戻す)
- remit(<金銭を> 送る)
- revitalize(復興させる)
- undertake(引き受ける)
頻出の英単語 【副詞】
- approximately(およそ)
- beforehand(事前に)
- collectively(集団で)
- overtime(時間外に)
- overwhelmingly(圧倒するように)
- periodically(定期的に)
- previously(以前に)
- readily(容易に)
- respectively(それぞれ)
- virtually(実質的に)
その他:【熟語・フレーズ】
- abide by(<規則に> 従う)
- around the clock(一日中)
- eligible to(〜する資格がある)
- compensate for(〜を補う)
- in bulk(大量に)
- infamous for(〜で評判が悪い)
- load A with B(AにBを積む)
- prior to(〜より前に)
- take into account(考慮に入れる)
- wear out(使い古す)
ここまで紹介したように、
「cost は知ってるけど expenditure は知らない」
「latest は知ってるけど state-of-the-art は知らない」
「regularly は知っってるけど periodically は知らない」
といった語彙力の差が、TOEIC800点を狙うために突破すべき語彙力の壁ということになります。
TOEIC800点を超えるのにおすすめな単語帳【厳選3冊】
ここからは、TOEIC800点を取るためにオススメの単語帳を3選ご紹介していきます。
TOEICの単語帳は数多くありますが、その中でも特に効果的にTOEICに必要な英単語が覚えられるものを厳選しております。
単語帳1. キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 800
[音声DL付]キクタンTOEIC L&Rテスト SCORE800 キクタンTOEICシリーズ
『キクタン』の単語・熟語は、TOEICの公式問題や模擬試験のデータだけでなく、コーパスというデータベースを分析して選定されているのが特徴です。
品詞ごとに10のチャプターに分かれており、1,120の単語・熟語を10週間で学習するプランがベースになっていて、学習計画がとても立てやすくなっています。英単語の定着率を上げるためにも、この記事の後半で詳しく説明する復習方法を取り入れて、学習を進めていきましょう。
各項目の構成は下記の通りです。
- Check 1:単語 or 熟語 + 発音記号 + 品詞・意味・語法など
- Check 2:コロケーション
- Check 3:例文
本書の前書きには、学習時間に応じてCheck1のみやCheck1〜2のみを学習する方法も提案されていますが、確実に記憶に定着させるためにもCheck1〜3すべてを学習していきたいところです。
Amazon公式サイト単語帳2. TOEIC(R)L&Rテスト 本番そのまま プラチナボキャブラリー
TOEIC(R)L&Rテスト 本番そのまま プラチナボキャブラリー
『本番そのまま プラチナボキャブラリー』では、公式問題集や既出問題集(韓国の公開テストを収録した問題集)などあらゆる書籍だけでなく、何年間にも渡り著者自身がTOEICを受験してきた経験をもとに1,444語の見出し語が厳選されています。
この単語帳の最大の特徴はその構成です。セクションごとに多少の違いはありますが、基本的には以下のようになっています。
- 左ページ:TOEIC形式の問題文 or スクリプト
- 右ページ:左ページに登場する単語+意味
※冒頭の「プラチナ必須基本単語」や巻末の「プラチナ難単語」などの構成は異なります。
この独特のレイアウトのおかげで、学習している英単語が実際の試験でどのように使われるかをリアルにイメージしながら学習を進めることができます。
特にPart1の写真描写問題では、英文と写真がセットで登場するので、英単語の意味が写真を通してはっきりイメージできます。
また他のパートでも、実際の会話やビジネス文書形式で単語やフレーズが登場するため、例文単体と比べてずっと記憶に定着しやすくなっています。
Amazon公式サイト単語帳3. TOEIC(R)テスト スーパー英単語
【CD-ROM・音声DL付】新装版 TOEIC(R)テスト スーパー英単語
『スーパー英単語』には、5人のTOEICエキスパートが厳選した、実際にTOEICで出題される1,005単語が収録されています。
この単語帳に収録されている単語は、450点から900点越えを狙うために絶対に知っておきたいものばかりです。TOEIC800点を目指す方であれば、序盤はやや簡単に思える単語もあるかもしれませんが、基本的な単語に抜け漏れがないかの確認は必須です。
それぞれの単語は、重要度順に星5つでセクションが分かれています。ですので、TOEIC800点を超えるには基本単語をしっかり押さえたうえで、★★や★の難単語まで覚えるようにしましょう。
この単語帳の何よりの特徴は、5人の専門家たちによるコメントです。具体的にどの単語がどのパートで問われるか、またどの語法が出題されやすいかなどを、彼ら自身の言葉で解説してくれます。
それらのことを意識して学習することで、より効率良くスコアアップを目指すことができます。
Amazon公式サイトTOEIC800点超えにおすすめな、単語を覚えるコツや学習の進め方は?
ここからは、TOEIC800点を超える単語力を身につけるために、具体的にどのような勉強方法が効果的か詳しく解説していきます。
単語学習のコツ1. 復習のタイミングが最重要
単語を覚えるために最も大事なことは、「復習のタイミングの管理」です。
多くのTOEIC学習者が単語学習で挫折してしまう最大の理由は、せっかく学習をした単語を忘れてしまうことにあります。
人は覚えたものをすぐに忘れてしまいます。ですが、復習のタイミングを適切に管理することで、英単語をほとんど忘れないことが可能なのです。
していきます。そのための具体的なステップは次の通りです。
- 初日は決めた範囲の単語を、繰り返し復習して覚える(10〜30単語程度が目安)。
- その翌日に、前日に取り組んだ単語を必ず復習する。
- その後は、3日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後くらいのペースで復習する。
復習の期間を2〜3倍ずつ伸ばしていくイメージです。
もちろんこの復習のタイミングを完璧に管理する必要はありません。ですが、これ以上に長い間隔を空けると単語を高い確率で忘れてしまい、「また覚えられなかった……」とモチベーションも下がってしまうので要注意です。
忘れないための復習を最優先にすることで、間隔を開けすぎないよう、復習のタイミングをマネジメントしていきましょう。
単語学習のコツ2. 覚える英単語にリアリティを持たせる
次に大切なのは、単語にリアリティを持たせて覚えることです。つまり、英単語が持つイメージや、それらが実際に使われる情景を思い浮かべながら学習するということです。
復習のタイミングももちろん大事です。でもどれだけちゃんと復習をしたとしても、どうしても記憶に定着しにくい単語ってありますよね?特に英単語と日本語訳だけを淡々と覚えるやり方では、無味乾燥な記号を暗記しているような状態に陥ってしまい、正直あまり効率が良くありません。
ですので、これからご紹介する3つの方法で、英単語に「リアリティを持たせる」ことを意識しながら英単語学習に取り組んでいきましょう。
2-1. 画像で覚える
まずは、画像で覚えるやり方です。具体的には、Googleで英単語を検索してイメージ化をします。
例えば canopy(張り出し屋根)という単語、正直この日本語訳を見ただけではピンとこないという方も多いのではないでしょうか。
そんな日本語訳だけでは分かりにくい単語も、画像と一緒に覚えてしまえば一発で記憶できることも珍しくありません。ぜひGoogle検索は積極的に活用していきましょう。
2-2. 例文で覚える
次に、単語帳に載っている例文はしっかり活用しましょう。
たまに、時間がないからと英単語と日本語訳だけを対にして覚えたり、場合によっては語呂合わせで覚えてしまう人がいますが、個人的にはあまりオススメしません。
特にTOEICで800点を超えるスコアを目指すのであれば、なおさらそのような表面的な単語学習では太刀打ちはできません。
英単語学習のカギはイメージ化です。英単語は例文の文脈をイメージしながら学習することで、その単語のニュアンスや語法などを一緒に覚えることができます。
2-3. 英作文をして覚える
最後に、英作文にチャレンジしてみましょう。単語帳を眺めるだけでなく、実際に英作文をすることで、より深いレベルでインプットすることが可能です。
ですが、このやり方は他の方法と比べて時間がかかるデメリットがあります。ですので、特に覚えにくい単語や、実際のビジネスシーンなどで使う可能性が高いものだけに絞っておこなってください。
単語学習のコツ3. 語源を活用する
もう一つ、語源を活用するやり方についてご紹介します。これは少し上級者向けのテクニックとなりますが、TOEIC800を目指すレベルであれば知っておいて損はないはずです。
実は、英単語のそれぞれパーツには意味があります。ですので、仮に初めてみる単語に出会っても、単語を分解をして分析をすることでその意味を推測できることがあるのです。
例えば export(輸出)という単語ですが、これは ex(外に)と port(運ぶ)というパーツから成り立っています。つまり「外に運ぶ」という語源から「輸出」という意味になっているのです。
ですので、もし単語帳に覚えにくい単語があった場合は、Google検索などで「◯◯ 語源」と調べてみてください。きっと詳しい語源の解説が見つかるはずです。
【参照】英単語の語源図鑑(清水 建二)
まとめ
本記事では、TOEIC800点を狙う皆さんにとって必要な単語、またそれらを効率よく覚えるために最適な単語帳と学習法についてご紹介しました。
TOEICの単語学習において大事なことは、実際のTOEICに出題される単語を頻出度順に、適切な復習のタイミングを意識し、かつリアリティを持たせ、時には語源の知識も駆使しながら学習を継続をしていくことです。
どうしても単調になりがちな単語学習ではありますが、これらの手法を組み合わせることで、やればやるだけ単語力が増える成功体験を積み重ねることができます。そして結果的に、英語力を飛躍的にアップさせ、TOEIC800点に大きく近づくことができます。
是非この記事でご紹介した内容を、今日から実践していただき、最短距離でTOEIC800点に向けて学習を進めていってください。
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